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部門ゲノムセンター

更新日:

がんおよび難病におけるゲノム医療をチームで実践しています

今日、がんおよび難病領域においては、その診断・治療のためにゲノム医療が重要な位置を占めるようになりました。当センターは当院におけるゲノム医療を推進するために、医師・遺伝カウンセラー・看護師・薬剤師・臨床検査技師・医療事務といった多職種のスタッフが一体となりチーム医療を実践しています。                                                 

ゲノムセンター長
階堂 三砂子

対応疾患

遺伝性腫瘍 遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)、リンチ症候群を中心とした診療。
がんゲノムセンターではがんゲノム連携病院としてがんパネル検査を実施。
遺伝性難病 遺伝性神経難病の遺伝学的検査、遺伝カウンセリングを主に行っています。

特色・強み

ゲノムセンターは医師7名、看護師5名、臨床検査技師3名、薬剤師1名、事務員3名で構成された医療チームです。医師メンバーは遺伝診療科、乳腺・内分泌外科、産婦人科、病理診断科、腫瘍内科、循環器内科、消化器内科の各専門医で構成され、臨床遺伝専門医1名、遺伝性腫瘍専門医1名、認定遺伝カウンセラー1名、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医・指導医2名が所属しています。さらに、がん専門看護師、乳がん専門看護師、化学療法認定看護師、がん専門薬剤師、難病認定看護師を擁し、がんおよび難病の専門職が団結してチーム医療を実践しています。

実績

2020年度 2021年度 2022年度
HBOC関連遺伝学的検査 14 54 41
がんパネル検査 5 18 37
遺伝性腫瘍関連
遺伝外来
7 5 6
難病関連遺伝外来 22 18 19

地域の医療関係者の方へ

当院は平成26年8月に「地域がん診療連携拠点病院」に、平成30年4月に「DPC特定機能病院」に、同年11月には「大阪府難病診療連携拠点病院」に指定されており、堺市二次医療圏を中心に南大阪における高度急性期医療を担う病院の一つとして、地域に必要な医療を継続的に提供することに取り組んでいます。
近年、悪性腫瘍をはじめとしたさまざまな領域の疾患に遺伝的素因が関係したり、遺伝的な体質によって治療法が異なったり、治療薬の効果が変わってくることがわかってきました。
遺伝学的検査により、①診断の確定、②治療法の選択・決定、③遺伝子治療をはじめとする新しい治療の適応や開発、④将来罹患する可能性がある疾患のリスクを回避するための手術をはじめとした予防的治療を検討することなどが、日常臨床レベルで実施されつつあります。
しかし、遺伝学的検査を実施することは、ご本人だけでなく血縁者の遺伝情報も明らかにする可能性や、ご本人も知りたくなかった遺伝情報などが明らかになる可能性があり、これまでの臨床検査とは明らかに意味合いが違います。ご本人、ご家族の病気や遺伝学的検査そのものがもたらす可能性のある影響について十分ご理解を得る必要があり、当該疾患主科の担当医や看護師だけではなく、臨床遺伝専門医やがんゲノム医療コーディネーターなどの専門家によるチーム医療が必要です。
ゲノムとは一生物の遺伝情報のすべてを指し、その情報を活用した診療をゲノム医療といいますが、特にがん診療の領域において、このゲノム医療を推進するために、厚生労働省では13のがんゲノム中核拠点病院、32の拠点病院、211の連携病院を指定しています(令和5年11月1日現在)。一人でも多くのがん患者さんがゲノム医療を受けられる体制を整備するために、指定病院では質の高いゲノム医療推進に欠かせない遺伝学的検査を実施できる体制整備が求められています。当院においても、令和元年9月より山村 順がんゲノムセンター長(乳腺・内分泌外科)を中心に遺伝性乳がん・卵巣がん症候群の遺伝相談外来を開始してゲノム医療の実績を着実に蓄積し、令和2年1月には大阪府のがんゲノム医療中核拠点病院である大阪大学医学部附属病院の連携病院の指定を受け、がんパネル検査を保険診療で実施する体制を整えてまいりました。がんパネル検査は、がん関連遺伝子を網羅的に検索するもので、臓器ごとの化学療法ではなく、ゲノム情報に基づいてさまざまな領域のがんに効果がある(=臓器横断的な)抗がん剤の提供を目指して行われます。
また、当院は平成30年11月に大阪府難病診療連携拠点病院に指定され、難病医療にも積極的に取り組んでいます。指定難病は平成30年4月以降、338疾病まで拡充されていますが(令和3年11月1日施行)、遺伝性疾患が数多く含まれ、遺伝学的検査が必要になる場合が少なくありません。近年、難病に対する遺伝子治療が次々と上市されており、難病治療にとって正確な診断が非常に重要になっています。当院の難病ゲノムセンターでは各種難病/希少疾患に対して、遺伝カウンセリングおよび遺伝学的検査を行っています。各種検査をおこなっても診断がつかない難病/希少疾患に対しては、ゲノム解析により診断をめざす未診断疾患イニシアチブ(IRUD)という日本医療研究開発機構(AMED)の「難病克服プロジェクト」があり、当院も大阪大学の連携施設として参加しています。
当センターは、先行して運用を開始したがんゲノム部門と難病部門を統合し、医師・看護師・薬剤師・臨床検査技師・医療事務といった多職種のスタッフが一体となってゲノム医療を進めてまいります。

*対応疾患                                                            
・遺伝性乳がん・卵巣がん                               
・家族性腫瘍が疑われる方                                                  
・指定難病を主とした遺伝性難病(希少疾患) 
                                        
上記疾患の遺伝カウンセリング、遺伝学的検査を行います。BRCA1/2検査は、遺伝カウンセリング加算に関わる届出を行っていない医療施設との連携を行い、診療をサポートしています。がんパネル検査実施についても、当院がんセンターで医療施設からのご紹介を受け付けています。
                                             
*施設認定                                                             
・がんゲノム医療連携病院                                                    
・全国遺伝子医療部門連絡会議維持機関会員施設

地域の患者さんへ

当院では、遺伝性腫瘍外来を開設しており、遺伝性乳癌卵巣がん(HBOC)遺伝相談やがんパネル検査を実施しています。がん相談支援センターまでお問い合わせください。

研究発表

研究発表等

開催日 学会・研究会名 演題 発表者
2023.10.14 Human Genetics Asia 2023 A Case of Chromosome 1p36 Deletion Syndrome Diagnosed Using Chromosomal Microarray Testing at Age 50. Misako Kaido, Takuhei Yokoyama, Yuka Yotsumoto, and Tomoko Hashimoto-Tamaoki
2023.7.7 第47回日本遺伝カウンセリング学会 発端者不在で46,XY性分化疾患の遺伝学的検査を希望し来談した姉妹例 階堂三砂子、宮田ゆかり、好井理世
2023.6.17 第29回日本遺伝性腫瘍学会学術集会 院内外における遺伝性腫瘍診療のチーム医療における現状と課題 好井理世、濱口佳子、古谷緑、柳下祐貴子、階堂三砂子、永田詩保、横山拓平、山村順
2022.12.16 日本人類遺伝学会第67回大会 当院におけるマイクロサテライト不安定性検査後のLynch症候群精査機会提供状況について 階堂三砂子、安原裕美子、柴正恵、中浦佳子、横山拓平、中田健、齊藤孝子、柳下祐貴子、髙瀬未穂、宮﨑翔梧、山村順
2022.7.2 第46回日本遺伝カウンセリング学会 幼い子供に常染色体優性多発性嚢胞腎の遺伝学的検査を希望し来談した1家族例 階堂三砂子、宮田ゆかり

原著、総説、著書等

著書・誌名 題名 著者
2023 堺市立総合医療センター医学雑誌2022 幼い子供に常染色体優性多発性嚢胞腎の遺伝学的検査を希望し来談した1家族例 階堂三砂子、宮田ゆかり
2023 堺市立総合医療センター医学雑誌2022 当院における遺伝性乳癌卵巣癌症候群に対する取り組み 横山拓平、山村順、 階堂三砂子、好井理世
2023 癌と化学療法 当院におけるマイクロサテライト不安定性検査後のLynch症候群精査機会提供状況について 階堂三砂子、安原裕美子、柴正恵、中浦佳子、横山拓平、中田健、齊藤孝子、柳下祐貴子、髙瀬未穂、宮﨑翔梧、山村順

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