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診療科泌尿器科

更新日:

高い技術力が実現する「患者さんに優しい医療」~安全・安心で高度な医療提供~

泌尿器科は外科の一部ですから手術が中心です。前立腺がん、腎臓がん、膀胱がんといった悪性疾患に対して、手術
や化学療法、放射線治療などを行っています。「地域がん診療連携拠点病院」に指定されていることもあって、悪性腫瘍
に対する手術が増えています。がん患者さんに、腹腔鏡による低侵襲手術やダビンチを用いたロボット支援手術といっ
た、高度で安全な最新医療の提供や救急医療にも対応しています。

泌尿器科部長
高山 仁志

対応疾患

前立腺がん 手術治療ではロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術を、放射線治療では強度変調式放射線療法(IMRT)を含む外照射を行っています。放射線治療科との連携により、前立腺がんの患者さんに質の高い医療を提供できる体制を整えています。
腎がん 腹腔鏡による低侵襲手術を積極的に行っています。直径4cm以下の小径腎癌に対してはロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術を行い腎機能温存に努めています。また、転移のある患者さんには、分子標的薬や新規免疫治療薬による治療を行っています。
膀胱がん 筋層浸潤性膀胱癌に対しては、抗がん剤治療と手術(ロボット支援腹腔鏡下膀胱全摘術)を組み合わせた集学的治療を行い、治療成績の向上を目指しています。
排尿障害 社会の高齢化にともない排尿障害の患者さんも増えています。薬物療法だけではなく、手術療法も含め、診療ガイドラインを参考にして患者さんそれぞれの症状に応じてその治療法を選択しています。
尿路結石 食生活の変化にともない尿路結石の患者さんは増えています。尿路結石に対しては、日帰りで体外衝撃波砕石術を行っています。

特色・強み

最近では、高齢化社会を反映して、悪性腫瘍が増加しつつあることや、堺市立総合医療センターが「地域がん診療連携拠点病院」に認定されたこともあって、悪性腫瘍に対する手術が増加しています。特にロボット支援腹腔鏡手術を積極的に行っており、泌尿器科領域において保険適応であるすべての手術(前立腺がん・腎がん・膀胱がんに対して)に、対応しております。また副腎・尿管などの腫瘍に対しては、腹腔鏡による低侵襲手術を施行しており、患者さんに負担の少ない検査・治療を心がけています。
また、高齢化社会を反映したもう一つの疾患である尿失禁・排尿障害に対して、当科ではそれぞれの診療ガイドラインを参考にして患者さんそれぞれの症状に応じてその治療法を選択しています。

主な手術・検査・設備等

ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術

前立腺がんに対する外科的治療法を、手術支援ロボット ダビンチを用いて内視鏡下で行う手術で、腹部に5~6か所、1cmの傷から器具を挿入し、前立腺を摘除するというものです。一般の前立腺がんの手術では、尿失禁・性機能障害など機能障害を伴います。しかし、ダビンチの内視鏡は肉眼と比べると格段に解像度が良く、細部まで見えるため、精緻な手術も可能で、神経温存手術を行うことで尿失禁・性機能障害といった合併症を極力少なくし、機能温存手術を心がけています。当院では平成28年4月よりロボット支援腹腔鏡下前立腺摘除術を施行しており、令和2年3月までに200例以上施行しております。

新時代の手術へ−手術支援ロボットダビンチ

ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術

腎臓がんの手術には全摘除と部分切除があります。 腎部分切除術は、腎臓の血流を一時的に遮断し、腫瘍を含む腎臓の一部分を切除し、欠損部を糸で縫い合わせます。腎血流の遮断時間が長くなると、手術後に腎臓の機能が低下してしまう傾向がありますので、遮断時間を短くすることが重要です。
腎部分切除術は、一般的には開腹腎部分切除術が行われますが、患者さんの身体的な負担が少ない手術の一つとして、腹腔鏡下腎部分切除術も保険診療として認められています。腹腔鏡による腎部分切除術は、開腹手術に比べて傷が小さく、手術後の痛みが少ないことなど利点も多いですが、鉗子の操作性の不自由さなどにより、腫瘍を切除したり、腎を縫い合わせたりすることが難しくなります。
当院では、腎部分切除術に対して、手術支援ロボット ダビンチを用いています。手術支援ロボットを使って手術することにより、鉗子の操作性の不自由さが改善され、腹腔鏡下手術の欠点を補い、より安全で患者さんの身体への負担が少ない手術が行えます。
平成28年4月よりロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術は保険適用となっていますが、当院でも、平成29年4月よりロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術を施行しております。

ロボット支援腹腔鏡下膀胱全摘除術

当院は、平成30年7月より膀胱がんに対するロボット支援腹腔鏡下膀胱全摘除術を施行しています。
膀胱がんに対する外科的治療法を、手術支援ロボット ダビンチを用いて内視鏡下で行う手術で、腹部に5~6か所、1cmの傷から器具を挿入し、膀胱を摘除するというもので、尿路再建も体内で行っています。キズが小さく、痛みが少ない手術で、膀胱を体外に摘出する5cmの傷はありますが、必要最小限の切開だけで行うため、手術後の痛みも驚くほど軽く、回復が早くなります。手術支援ロボットを使って手術することにより、鉗子の操作性の不自由さが改善され、腹腔鏡下手術の欠点を補い、より安全で患者さんの身体への負担が少ない手術が行えます。
ダビンチの内視鏡は肉眼と比べると格段に解像度が良く、細部まで見えるため、精緻な手術も可能で出血も少なくなっています。

ロボット支援腹腔鏡下腎尿管全摘除術

腎盂尿管がんに対する標準術式は腎尿管全摘除術です。腎盂尿管がんは多発・再発する特徴をもつため、病側の腎臓から尿管、膀胱内の尿管口までをすべて摘出する必要があります。
これまでの標準術式である腹腔鏡手術と比較して、ロボット支援手術は入院期間が短く、合併症の起こる確率も低いと報告されています。そこで、腎盂尿管がんに対して、より一層低侵襲かつ安全性の高い手術を目指し、腹腔鏡手術にかわり令和4年6月からロボット支援腹腔鏡下腎尿管全摘除術を施行しております。

<ロボット支援腹腔鏡下腎尿管全摘除術の特徴>
・側臥位で施行
・腹部に5~6本の内視鏡用トロッカーを留置
・腹部に約5~6cmの腎臓を摘出する創(きず)が必要
・令和4年4月より保険適用

実績

2018年度 2019年度 2020年度
腎・尿管手術
ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術 10 26 20
腹腔鏡下腎摘部分切除術 0 0 0
腹腔鏡下腎摘除術 15 10 14
腹腔鏡下腎尿管全摘除術 8 9 7
根治的腎摘除術(開腹) 3 2 2
腎部分切除術(開腹) 0 0 0
腎尿管全摘除術(開腹) 0 0 0
副腎・後腹膜・その他手術
腹腔鏡下副腎摘除術 2 9 2
後腹膜鏡下後腹膜腫瘍摘除術 1 0 0
腹腔鏡下尿膜管摘出術 3 2 1
膀胱手術
ロボット支援腹腔鏡下膀胱全摘術(回腸導管・尿管皮膚瘻造設) 8 13 19
腹腔鏡下膀胱全摘術(回腸導管・尿管皮膚瘻造設) 5 1 0
膀胱全摘術(開腹) (回腸導管・尿管皮膚瘻造設) 0 3 0
経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT) 115 112 115
前立腺手術
ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術 56 59 67
腹腔鏡下前立腺全摘除術 0 0 0
根治的前立腺摘除術(開腹) 0 0 0
経尿的前立腺切除・核出術(TURP・TUEB) 33 27 29
尿路結石関連手術
経尿道的尿管砕石術(TUL) 4 2 2
経皮的尿路結石除去術(PNL) 0 0 0
体外衝撃波砕石術(ESWL) 69 81 63

レーザーを用いた尿路結石治療を開始しました

地域の医療関係者の方へ

地域の医療機関との連携なくして市民の皆さんの健康は守れません。ご紹介、ご来院いただいた患者さんに最適な医療を提供するため、最先端医療を積極的に取り入れ、スタッフ一同、日々研鑽に努めてまいります。

地域の患者さんへ

一般の泌尿器科疾患に対応できる治療体制が必要と考え、小児泌尿器科、腎移植を除く一般泌尿器科疾患に対応しています。日常に多い尿路結石、尿路感染、排尿障害はもちろんですが、特に泌尿器科領域がんの治療を積極的に行っており、最新の治療を患者さんに提供しています。

研究発表

令和元年度

開催日 学会等 演題 演者
4月20日 第107回日本泌尿器科学会総会 当科における腹腔鏡下根治的膀胱全摘除術の周術期成績の検討 武田 健・岩西 利親・木内 利郎 高山 仁志
5月29日 前立腺癌学術講演会 in 南大阪 前立腺癌の治療 高山 仁志
6月5日 ナニワ手術手技研究会 部分体腔内法によるロボット支援腹腔鏡下 回腸導管造設術 武田 健
10月17日 泌尿器×消化器 Collaboration Forum 最近のロボット支援手術について 武田 健
10月19日 第242回 日本泌尿器科学会関西地方会 腎盂癌に対しペンブロリズマブ投与中に発症したcollagenous colitisの1例 木内利郎・岩西利親・武田 健・高山仁志
11月8日 第71回西日本泌尿器科学会総会 ペンブロリズマブ投与中に発症した膠原繊維性大腸炎の1例 木内 利郎・岩西 利親・武田 健 高山 仁志
12月5日 第32回 日本内視鏡外科学会 総会 ロボット支援腹腔鏡下膀胱全摘術における部分体腔内法による回腸導管造設術の検討 武田 健・岩西利親・木内利郎・高山仁志
12月7日 第5回堺市医療圏地域がん診療拠点病院合同がん地域連携クリニカルパス研修会 前立腺癌現状~泌尿器科におけるロボット支援手術 高山 仁志
2月6日 Kongo Urology Meeting ロボット支援腹腔鏡下膀胱全摘術における体腔内回腸導管造設術の経験 武田 健

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