地方独立行政法人 酒井市立病院機構 堺市立総合医療センター 臨床教育センター

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連携プログラム外科- 消化器外科

更新日:

外科の技術や知識の習得は一朝一夕にはいきません。医師になってからの5年間が非常に大切で、良い指導医のもとで、外科医として多くの症例を、比較的短期間に経験することが重要です。

当院は堺市二次医療圏の中核施設としての地域医療と、地域がん診療連携拠点病院としての高度医療の調和と統合をモットーとしています。

見学だけでも大歓迎です。ご興味のある方は、是非ご連絡ください。

消化器外科では、専攻医が技術を身につけるための十分な症例があります。当科は、胃食道外科、大腸肛門外科、肝胆膵外科の3グループに分かれて、それぞれ3~4名の専門医スタッフによる疾患別診療を行っています。

消化器外科部長
能浦 真吾

研修プログラムの概要

大阪大学外科専門研修プログラム、近畿大学病院外科専門研修プログラム、兵庫医科大学外科専門研修プログラム、国立病院機構大阪医療センター外科専門医育成プログラムの連携施設として、消化器外科を中心に専門研修を行うコース(2~3年)となります。

研修内容

初期臨床研修を終了した方が対象となり、胃食道外科グループ、大腸肛門外科グループ、肝胆膵外科グループをそれぞれ3〜6か月ごとにローテートしていただきます。希望者は心臓血管外科、呼吸器外科、乳腺・内分泌外科、救命救急科のローテートも可能です。

当科では日本外科学会指導医、日本消化器外科学会指導医、日本内視鏡外科学会技術認定医、ロボット支援手術認定プロクター、日本肝胆膵外科学会高度技能専門医の指導の下、専攻医の先生は開腹手術だけでなく腹腔鏡下手術やロボット手術など、多数の手術に参加していただきます。当科で研修していただく専攻医の先生方にはロボット支援下手術の助手だけでなく術者も経験していただきます。専攻医のうちに開腹手術だけではなく腹腔鏡下手術やロボット支援下手術の執刀を経験し、その技術を習得することができます。消化器内科、放射線科、病理診断科等の他科とも緊密に連携しており、外科診療を越えた幅広い学習が可能です。

ダブルボードによる専門研修

新専門医制度において、初めに救急科領域の専門研修を修了し、2つ目の基盤領域専門医として外科専門医の取得(ダブルボード)をめざす専攻医を対象としたダブルボード専用の外科領域専門研修カリキュラム制整備基準が、日本専門医機構に承認されました( 日本外科学会ホームページ )。

救急科専門医をめざす先生方に対しては、外科とのダブルボードの取得にも対応できるプログラムを整備しています。ただし、各プログラムに3年、合計6年間の期間が必要です。なお、外科の専門研修プログラムは原則として3年連続ですが、救急科の専門研修プログラムは、ダブルボード取得を念頭に、中断と再開が認められていますので、柔軟な研修が可能となります。

ロボット支援下手術

当院では手術支援ロボット「da Vinci Xi」が2台導入しており、当科でも積極的にロボット支援下手術を行っています。

「da Vinci Xi」の製造元であるIntuitive Surgical社では、認定資格(certificate)制度を設けており、助手・術者は専門の研修認定施設でトレーニングを受講します。当科では、専攻医の先生方に「da Vinci Xi」手術を安全に行っていただくために、Intuitive Surgical社の定めるトレーニングコースを受講し、助手だけでなく術者のcertificateを取得していただきます。ロボット支援手術認定プロクターの指導のもと、助手だけでなく術者も経験していただきます。

資格の取得

日本外科学会専門医プログラムにおける専門医取得条件である手術症例を経験でき、専攻医修練期間中に日本外科学会専門医試験の資格が取得できるようにサポートします。さらに、希望者は、日本消化器外科学会専門医、日本ロボット外科学会専門医、日本内視鏡外科技術認定医などが取得できるように指導します。

学術活動

当科では日常診療のみならず学術活動にも力を入れており、学会発表や論文作成などの学術的サポートも充実しており、論文に関しては和文論文だけでなく英文論文まで作成できる指導体制を整えています。
当院で研修された専攻医の先生方は数々の賞を受賞し表彰されています。

当科の指導体制

(2023年6月現在)

  • 日本外科学会 専門医 10名・指導医 5名
  • 日本消化器外科学会 専門医 10名・指導医 6名
  • 日本食道学会 食道科認定医 3名
  • 日本大腸肛門病学会 専門医 1名・指導医 1名
  • 日本肝胆膵外科学会 高度技能専門医 1名・指導医 1名
  • 日本内視鏡外科学会 技術認定医 5名
  • ロボット支援手術認定プロクター 3名
  • 日本ロボット外科学会専門医 4名
  • ダビンチサージカルシステム術者認定医 6名

専攻医の受賞一覧

2021年度
  • 第51回専門医を目指す消化器外科セミナー
    「ビデオコンテスト・右側結腸癌に対する腹腔鏡下手術部門」第一位 横内隆先生
    「ビデオコンテスト・ラパ胆部門」第二位 泉谷祐甫先生
  • 真皮縫合コンテスト 優勝 泉谷祐甫先生
2022年度
  • 第206回近畿外科学会 優秀演題賞 神波奈央子先生
  • 第55回専門医を目指す消化器外科セミナー
    「ビデオコンテスト・右側結腸癌に対する腹腔鏡下手術部門」第一位 永野慎之介先生
    「ビデオコンテスト・ラパ胆部門」第三位 梅田一生先生
2023年度
  • 大阪大学外科学同窓会 Young Investigator Award 永野慎之介先生

研修終了後

研修終了後の進路は、本人の希望を優先しますが、大学院博士課程に進学し消化器外科に関する研究に従事して学位取得をめざしたい方など、皆さんの希望に応じてフレキシブルに対応しています。もし未定であれば気軽に相談してください。

先輩メッセージ

永野 慎之介 先生

経歴

初期研修医
平成29年〜2年間 ベルランド総合病院
後期研修医
令和2年〜1年間 大阪大学医学部附属病院 消化器外科
令和3年〜2年間 八尾市立病院 外科
令和4年〜1年間 堺市立総合医療センター 消化器外科 専攻医
現在   
大阪大学大学院医学系研究科外科学講座 消化器外科学

メッセージ

私は大阪大学大学院、消化器外科の社会人大学院生として1年間、堺市立総合医療センターで勤務させていただきました。
当科の特徴はなんといっても豊富な症例数です。上部・下部・肝胆膵の悪性疾患を満遍なく学ぶことができ、術前術後管理はもちろんのこと、手術手技の研鑽に関しても申し分なく経験することができました。当科では数ヶ月ごとに上部・下部・肝胆膵グループを経験するローテート制を採用しており、集中的に各疾患を学ぶことができます。ローテートする中で、悪性疾患に関しても多くの執刀機会を得ることができ、良き指導医の先生方との出会いも相まって、手術技術のさらなるレベルアップに繋げることができました。また腹部救急疾患は当院救命救急科と連携して診療にあたっており、他の病院では経験することができないような専門的な治療にも参加することができます。
臨床業務面で充実しているだけでなく、学術活動に関しても、スタッフの先生方が熱心に指導してくださる環境が整っています。私は1年間で6回の学会発表と1本の英語論文を執筆させていただき、大変貴重な経験を積むことができました。
少しでも堺市立総合医療センターでの外科研修に興味がありましたら、ぜひ一度見学してみてください。そして堺市立総合医療センターで消化器外科医としての素晴らしいスタートをきりましょう。

梅田 一生 先生

経歴

初期研修医
平成30年〜2年間 近畿大学医学部附属病院
後期研修医
令和2年〜1年間 近畿大学医学部附属病院 消化器外科
令和3年~2年間 堺市立総合医療センター 消化器外科 専攻医
現在   
近畿大学医学部附属病院 消化器外科

メッセージ

私は、初期研修を含めた3年間を大学病院で研修を終えた後に、堺市立総合医療センターで消化器外科専攻医として後期研修を2年間経験させていただきました。
豊富な症例数を有し、専門性の高さから、後期研修病院として選択しました。実際に、2年間で食道癌手術、膵癌手術やロボット手術などの高い専門性が求められる手術も経験できる上に、鼠径ヘルニアや胆嚢結石症をはじめとする良性疾患の執刀も数多くさせていただき大変バランスの取れた施設だと思います。
当科では、数か月ごとに上部・下部・肝胆膵グループをローテートして各領域疾患について集中的に学ぶことができ、領域をまたぐ場合も他グループの先生方に気軽に相談でき、習熟のための環境が整っています。また、集中治療科や救命救急科との関わりも密にあり、術後管理や外傷・急性腹症などに関しても非常に勉強になりました。
堺市立総合医療センターは地域の中核病院であり、急性期から慢性期まで幅広く様々な疾患を経験できました。中でも、緩和医療を経験する機会も多く、そこで得た知識などは今後の診療に役立てていければと思います。
手術などの診療のみならず、学術活動に関しても熱心に指導していただき、数多くの学会発表や論文執筆も経験できました。
消化器外科を志し、多くの症例を経験したい先生方は、ぜひ堺市立総合医療センターでの研修生活を経験していただければと思います。

専攻医1人当たりの経験目標症例数
(2年間研修した場合)

食道がん 5 例
胃がん 50 例
結腸がん 40 例
直腸がん 30 例
肝臓がん 30 例
膵臓がん 30 例
胆石・胆嚢ポリープ 80 例
ヘルニア 70 例

連携プログラム

募集要項・病院見学について

問合せ先

共育・育成サポートセンター臨床教育係

[Email]rinkyo3★sakai-hospital.jp
[TEL]072-272-9950