地方独立行政法人 酒井市立病院機構 堺市立総合医療センター 臨床教育センター

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先輩研修医からのメッセージ

更新日:

小泉 直史

この病院に入った時の印象は?

腎代謝免疫内科で学生実習した際、上級医に本気で指導していただいたのを経験しましたので初期研修医で当院を選択しました。思っていた通り、指導熱心の上級医が多く研修医も勉強熱心で互いに教え合い、まさに「教え教えられる文化」を体現している印象でした。

初期研修からこの病院に残ったきっかけは?

私は入職時外科系を考えておりましたが、初期研修医時代に内科系ローテートしている際「患者さんの全てのプロブレムを把握する」という姿勢に感銘を受けて内科系診療科に志望変更いたしました。できる限り多方面の内科の知識を身に付けることが目標であったためローテーターに対する指導体制が定まっている当院に残ることは自然な考えでした。また、当時の内科後期研修医の先輩のレベルの高さを見ていると当院でやり残したことが山程あるように思い、初期研修医で病院を移ることは勿体ないと考えました。

研修中の指導体制は?

基本的には研修医1人につき指導医1−2人の患者さんを受け持つという状態で概ね受け持ち患者さんは10人前後になります。ローテーターではありますが新内科専門医制度が始まる以前よりローテート制度を採用していたため指導医もローテーターの指導に慣れておりある程度任せてもらえています。また、指導医の専門外のプロブレムに関しては適宜総合医局で他科の先生に相談しつつ対応していきます(内科の垣根が低いので相談しやすいです)。また、救急外来、内科初診外来に関してもback up体制が整っています。

研修中に心に残っているエピソードは?

具体的なエピソードではありませんが、学年が上がるにつれて、内科カンファレンスや症例検討会、救急外来などで後輩に適切にアドバイスできる率が高まっていることが自覚でき、自身の成長を実感しました。

初期研修医にメッセージ

当院は以前より新内科専門医制度に近い制度でローテーションしており、いま求められている内科医教育にはマッチしていると思います。専門性の取得が遅くなるといった不安もあるかとは思いますがやる気さえあればある程度柔軟に対応してもらえるように思います(例えば循環器志望の研修医であれば別の科のローテーション中も循環器オンコールに入るなど)。どのような将来設計の先生にもメリットが少なからずある研修になると思いますので一度相談されると良いかと思います。

1週間のスケジュール


日中のハートコール
(循環器救急)担当
7:40~
病棟回診
7:40~
病棟回診
7:40~
病棟回診
7:40~
病棟回診
7:40~
病棟回診
8:20~
抄読会
8:20~
退院症例検討
8:30~13:00
ER当番(隔週)
病棟業務
9:00~
心臓カテーテル業務
9:00~
心臓カテーテル業務
9:00~
心臓カテーテル業務
心筋シンチグラフィー(隔週)
9:00~
心臓カテーテル業務
12:00~
症例検討
12:00~
スタッフレクチャー
12:00~
救急レクチャー
12:00~
後期研修医レクチャー
13:00~
病棟業務
13:30~
トレッドミル負荷心電図
病棟業務
13:00~17:00
ER当番(毎週)
13:00~
病棟業務
13:30~
心臓リハ
病棟業務
15:00~
心エコー図検査
16:30~
新入院カンファ
16:00~
カンファレンス
16:30~
症例検討会
17:15~
内科レクチャー
17:15~
内科医局会(隔週)
17:45~
内科運営会議(隔週)

※心臓カテーテル検査は緊急の場合を含めて可能な限り参加

濱崎 直子

この病院を選んだきっかけ

もともとは他院で初期研修を行っていたのですが、そのまま専門分野に進むことに不安がありました。そのときに堺市立総合医療センターでは勉強会などの教育面に力を入れており、各科ローテートを行い多角的な視点をもてる研修制度があることを知り興味をもったのがきっかけでした。実際に見学すると、大変ながらも熱心に研修を行っている後期研修医の先生の姿を拝見し堺市立総合医療センターでの研修を希望しました。

他院との違いは

内科全体でのカンファレスがあるため、科の垣根が低いこと、定期的に他科の知識を知ることができる点が他院との違いだとます。現在他院の呼吸器内科で勤務していますが、他科の先生とお話する機会はほとんどなく、他科の知識を定期的に得ることはできていないと感ており、内科全体でのカンファレンスは本当によかったと思います。

研修中に心に残っているエピソード

やはり内科全体でのカンファレスです。毎日何らかの形で内科全体が集まるカンファレンスがあり、そこで色々なことを学びました。他科の先生の発表を見て、知識はもちろんのこと、プレゼンの方法なども学ぶことができました。また自ら発表する機会もあり、伝えることの難しさを感じながらも指導もしていただき、様々な力を身につけることができました。ここまでカンファレンスを行っている病院はないため貴重な経験ができたと感じています。

初期研修医にメッセージ

現在内科の専門医制度が変更となり不安なことも多いと思います。堺市立総合医療センターは以前よりローテート研修を行っており、また教育体制も整っています。もちろん大変なこともありましたが堺市立総合医療センターでおこなった研修が今になっても役に立っていると実感しています。初期研修医だからこそできることがたくさんあると思います。頑張ってください。

1週間のスケジュール

8:30~9:00
ICU申し送り
8:30~9:00
ICU申し送り
8:30~9:00
ICU申し送り
8:30~9:00
ICU申し送り
8:30~9:00
ICU申し送り
9:00~17:15
ICU日勤
9:00~17:15
ICU日勤
9:00~17:15
ICU日勤
9:00~17:15
ICU日勤
9:00~
内科外来
 12:00~13:00
症例検討会
12:00~13:00
スタッフレクチャー
12:00~13:00
救急 feedback
12:00~13:00
内科専攻医レクチャー
13:00~
ICU日勤
13:00~17:15
ICU日勤
13:00~17:15
ICU日勤
13:00~
ICU日勤
13:00~17:15
ICU日勤
16:30~
新入院カンファレンス
  16:30~
症例検討会
 

OB/OGインタビュー

循環器内科木村 和秀

亀田総合病院にて2年間初期研修を行う。
その後、堺市立総合医療センターにて内科後期研修を行い、引き続きスタッフとして2016年から勤務。

循環器では何をメインに?

こちらの病院に来て今年で4年目になりますが、一般的な循環器内科、例えば狭心症・心筋梗塞・心不全そういった疾患に対しての治療を行なっています。

他院との違いは?

内科の中でも科同士の垣根が低く、みんなで協力をしあいながら診療ができる点が非常に 居心地が良いです。自分自身の専門をやりながら、ある程度他の内科についても、外来であったりとずっと関わる機会があるという点が他院とは大きく違うところだと思います。
例えば、他院では「科と科の間に落ち込むような疾患」を診たがらない風潮がありますが、堺市立総合医療センターではそのような疾患を見ることが当たり前です。包括的に誰でもそれなりの管理ができる、という下地がある中で、上級医や周囲がサポート、バックアップを快くしてくれる点が良い点だと思っています。

幅広い知識が必要なため大変では?

そうですね。当直で任せられることも増えてきて、どんな疾患の患者さんが来ても自分が最後まで責任を持って診なければいけない、という環境の中で勤務させてもらっているので、単純に自分の専門の心臓だけ見ていれば良い、というわけにはいかないですが、自分にとってはありがたい環境だとして促らえています。

最初にこの病院に入ったときの印象は?

最初はもう少し「軸足」を循環器に定めながらできるかと思っていたのですが、その逆で、しっかりと「ジェネラル」をしてから、という点が徹底していましたね。医師臨床研修制度には適合している病院であると思います。

内科としての方向性「ジェネラルマインド」に対する考え方は?

初期研修病院の亀田総合病院もわりとジェネラルを大切にする病院でして、ジェネラルの中でもシステマチックに、ジェネラリストとしてやっていくような感じだったのですが、こちらは「古き良き市中病院」というか、和気藹々としたイメージがありました。上級医が本当に患者さんのことを思って一生懸命がんばるから、専攻医も頑張る、という肩肘をはらずにできる環境です。

研修中に心に残っているエピソードは?

現内科統括部長から、研修中に聞いた「患者さんを診続けるために、『えらくなる』ことから逃げてきた」という言葉が、今でも心に残っています。その言葉の意味するものは、何よりも「患者さんを診る」ことを、最優先にしてきたということ。「患者さんを診る」ということに対して、いつまでも真摯であり続けることは、私自身の目標でもありますし、そのような土壌がある、とても良い病院だと思います。

研修中の指導体制は?

研修中はスタッフの先生1人につかせていただき、適宜相談をしながら診療をすすめるという体制でした。当直の間は、ローテートで得た知識をもとに、入院してから翌朝まで自分で責任を持って診るます。初療のその先まで引き続いて診れるという体制が良い点かと思います。それも、1人で放り出されるのではなく、ジェネラルと急性期に強い内科の先生が夜間でもバックアップとして付い下さっているなかで診療ができるというのは心強いですね。気心知れた環境で臆せずに相談できる中で患者さんを診れるので、困ることは少ない体制だと思います。

カンファレンスについて

カンファレンスに関しては、プレゼンテーションの仕方が凄く大切になってきます。初期研修医たちが頻繁にプレゼンテーションをする機会がもてるということは、ありがたいですよね。専攻医にしても日々業務だけだと、まとめる時間というのがなかなか意識して持つことが難しいので、定期的に何かをまとめて形にするという機会があることは、非常に良い環境だと思います。

研修プログラムの中で一番役に立ったのは?

日々の救急外来当直が一番だと思います。初期の時に見えていたものとは違った見方で診る事ができるというか、一歩踏み込んだ形で診ていくことになるので、こちらは初療だけではなく、患者さんの背景とか、メディカルスタッフも含めてその人の状況を理解することが大切になってくるという点が、非常に勉強になったと思っています。

研修医主催のイベントに関しては?

こういうイベントは、一番誰のためになっているかというと、やっぱりやっている研修医なんですよね。対外的にも、院内でも研修医主催でいろいろなことをどんどんやっていくというのは、間違いなく知識の蓄積や症例のまとめに関しても、本当に良い機会だと思います。

専門研修を終えて、そのままスタッフとして勤務した理由は?

正直なところ、専門的な分野に関してはまだまだ発展途上だと思います。循環器1本で志すというのであれば他の病院で研修をした方が良いのか、迷いはしたのですが、自分の一番やりたいこと、今後やっていきたいこととしては、内科としてしっかり確立したうえで、循環器としての専門性を身につけるということ。循環器だけではなく、内科急性期が一番楽しいと思っていたので、そのなかで循環器を自分の専門としてやりながら、急性期も診れるようになりたい。そんな自分の目標と病院のシステムがあっていたので、この病院で頑張りたいと思い、専門研修を終えてそのままスタッフとしてこちらに勤務をしています。

初期研修医にメッセージ

初期研修の病院は、非常にエビデンスを大切にする方針で、治療に対する根拠というものを非常に重要視していました。一方で堺市立総合医療センターの特徴は病態生理をものすごく重要視し、それを実証する、確かめるという観点での身体所見を大切にしている。ペーパーでこうだからこう、というのではなく、その人自身を診て診療方針を決める。そのことが病院全体に根付いている。そんな病院で研修をするということは、医師として凄くおもしろい経験ができると思います。

呼吸器内科伊木 れい佳

初期研修2年間と内科後期研修3年間を堺市立総合医療センターにて行う。
その後、兵庫県立尼崎総合医療センターにて現職。

研修中に印象に残っているところは?

特徴として、内科の各科がチームになって研修医の教育に当たっているという点が挙げられると思います。例えば、各専門科の中のカンファレンスはどこの病院でもありますが、堺市立総合医療センターの場合は「合同カンファレンス」といって、各科の部長クラスの医師までみんなが同じ空間に集まって、研修医の症例検討会や勉強会に参加し、意見を言ってくださいます。そういったことは、なかなか他の病院ではないことかな、と思います。

「科と科の垣根がない」という点について

専門分野がどれだけしっかり勉強できるのか、という点が少し不安ではあったのですが、今になって思えば、この先専門分野だけになった時にいくらでも勉強できることなので、最終的には研修中の3年間はジェネラルな視点で勉強できて非常によかったと思っています。

堺市立総合医療センターを選んだ理由は?

もともと初期研修からいたので、堺市立総合医療センターの内科がどんなものかを知っていたという点もありますが、初期の頃から教育という面では伝統があって、みんなが自然に意識せずに診療の一環として研修を行なっていて、魅力に感じました。あと、各科ローテートは、何年か経ってからしたいと思ってもできないことなので、魅力を感じました。

研修を終え、他院勤務をして違う点は?

内科各科の垣根が低く、内科全体がひとつにまとまっているところがあり、ジェネラルな視点がスタンダードになっている点。他の病院では、専門内科に所属をしていると、その科のことばかりになりがちですが、何年目になっても他の内科の知識も吸収できるという 空気がありますね。

ジェネラルマインドはどのように影響しているか?

私は専門が呼吸器内科なのですが、たとえ呼吸器の疾患であっても、合併している高血圧や糖尿病など、必ずしもひとつの病気だけで完結しているわけではないんですね。専門になると、どうしても自分の専門の病気だけに着目しがちです。合併している糖尿病のコントロールがほったらかしにならないように、堺市立総合医療センターで学んだジェネラルな視点でいろんなところに目を向けられるように心がけています。見えなくなってしまう危険性があるからこそ、「見るべきところ」をしっかりと持つことで、見落としも少なくなってくると思います。そういう意味でジェネラルマインドが根付いているのだなと思います。
臓器だけを見るのではなく、背景などを含めて患者さん全体を見た上で対処することができるようになったのかな、と思います。そのことが研修時代に培われた精神ですね。

印象に残っていることは?

ローテートは3か月ごとなのですが、直接の指導医以外からもアドバイスや意見をもらえます。研修医ひとりひとりに目を向けていてくれているということが、とても感じられる空気でした。その研修が終われば、関係も終わりではなく、内科全体として専攻医を育てようとしてくれている空気がとても嬉しかったです。

カンファレンスについて

通常は専門科内でのカンファレンスしかないんですが、堺市立総合医療センター内科全体が集まっていろんな意見を交わすというカンファレンスがありました。例えば症例検討会などでは、その科の質問だけではなく、他の科からも質問がきたり、指導が入ったり知識を与えてくれる。そういったカンファレンスを経て、発表する練習や、逆に発表を聞いてどういう点に着目すればいいか、などいろいろな力を身につけることができました。最初に患者さんの話を聞いて、何を考えるべきか、どこに着目すべきか、など、日々の外来診療にもその時の経験がとても役に立っています。

初期研修医にメッセージを

制度が変わり、ローテートが必須になったことに対して不安に思っている初期研修医も多いかと思います。私は堺市立総合医療センターでは「ローテート」しながら研修をしてきましたが、10年目になって思うことは、その時期でないといろんな分野の勉強はできないですし、その時期だからこそ吸収できることも多いということです。専門研修の時代にジェネラルな視点を養い、いろんな知識を吸収しておくということが、その後とても役に立ちますし、大事なことだと思います。また、専攻医時代に関わった仲間とは、10年たった今でも、何かあったら相談したり、刺激をもらえたりするとても大切な関係が続いています。専門研修は、そういった一生の仲間とも出会える良い機会だと思います。