Sakai Medical Stories Vol.1 腹部ヘルニアは堺市立総合医療センターへ

市民や医療従事者にとって“ほどよく専門的”で“温度のある情報”を配信する「Sakai Medical Stories」
Vol.1 腹部ヘルニアは堺市立総合医療センターへ
― ロボット支援が拓く腹部ヘルニア手術の新しい標準 ―

2025年8月に発足した「腹部ヘルニアセンター」。
センター設立の想いや今後の展望について、内藤 敦 センター長にお伺いしました。
Q1.そもそも「腹部ヘルニア」って、どんな病気なんですか?
よく「ヘルニア」と聞くと、腰の病気を思い浮かべる方が多いんですが、私たちが診ているのはお腹のヘルニアです。
お腹の壁が弱くなって、そこから腸などが出てきてしまう状態ですね。
鼠径ヘルニアや、手術の傷あとにできるヘルニアなど、いくつか種類があります。
Q2.なぜ今、腹部ヘルニアセンターを立ち上げたのですか?
これまで院内では、ヘルニアの診療がいくつかの外科グループに分かれていて、「どこに紹介すればいいのか分かりにくい」という声がありました。
そこで、腹部ヘルニアをまとめて診る窓口をはっきりさせようというのが一番の理由です。
Q3.センターができて、何が一番変わりましたか?
診療の考え方が統一されたことですね。
以前は医師ごと、グループごとに少しずつ違っていた部分を、センターとして共通の方針にしました。
患者さんにとっても、「誰に当たっても同じ説明を受けられる」安心感があると思います。
Q4.どんな患者さんが多いのでしょうか?
やはり多いのは70代、80代の方です。
高血圧や心臓病、糖尿病など、いくつか持病をお持ちの方も少なくありません。
「痛みは強くないけれど、なんとなく不安で来ました」という方も多いですね。
Q5.診断はどのように行うのですか?
実は、診断の多くは診察で分かります。
立ってもらって膨らみを確認したり、横になって戻るかどうかを触って確かめたりします。
必要に応じてCTを撮って、種類や大きさ、他の病気がないかを確認します。
Q6.ヘルニアは、見つかったら必ず手術が必要ですか?
いいえ、必ずしもそうではありません。
ヘルニアは命に直結する病気ではないので、症状が軽ければ経過を見る選択もあります。
手術のメリット、デメリットをしっかりと説明し治療方針を患者さんと一緒に考えます。
Q7.手術をするとしたら、どんな治療法がありますか?

今は腹腔鏡手術が主流です。
お腹を大きく切らずに行えるので、体への負担が少なく、回復も早いです。
患者さんの状態によっては、従来の方法を選ぶこともあります。
Q8.ロボット支援手術も対応しているそうですね。
はい。特に鼠径ヘルニアでは、腹腔鏡だと操作が難しい場面があります。
ロボットは実際の目以上によく見え、実際の手以上によく動くので、より細かく、正確な操作ができます。
術者としても「安心して任せられる道具」だと感じています。
Q9.高齢の方や持病がある方でも、手術は大丈夫でしょうか?
そこが総合病院の強みだと思っています。
内科や麻酔科、リハビリ、栄養のスタッフと一緒に、手術前から体の状態を確認します。
「手術ができるかどうか」を一人で判断しない、というのが私たちの考え方です。
Q10.受診するには、紹介状は必要ですか?
紹介状がなくても受診できます。
鼠径ヘルニアの専門外来では、「ちょっと気になる」「違和感がある」といった相談だけでも大丈夫です。
ただし、選定療養費がかかる場合があるので、その点は事前にご確認ください。
Q11.手術後の通院は、どれくらい必要ですか?
経過が順調であれば、術後1回の受診で終わることもあります。
もちろん、痛みや気になることがあれば、再度診察に来ていただいて構いません。
「治ったら終わり」でいい病気だと思っています。
Q12.最後に、患者さんや地域の先生方へメッセージをお願いします。

腹部ヘルニアは、「どこに相談すればいいのか分からずに困っている」方がとても多い病気です。
少しでも気になることがあれば、まずは堺市立総合医療センターに相談してもらえたらと思います。
「ヘルニアで迷わない地域」をつくっていきたいですね。
Beyond the White Coat
― 白衣の向こう側 ―
ここからは、医療や仕事の話から少し離れて、休日の過ごし方や好きなものなど、日常のひとコマから見えてくる医師の人となりや、ちょっと意外な一面をご紹介します。

*休日の過ごし方
家族で道の駅めぐりをしています。
「みちめぐ」というアプリを使って、子どもと全国制覇をめざしています。
数年前からマウンテンバイクを始め、 そこで知り合った友人と山に行くのも楽しみの一つです。
(鎖骨を折ってしまったこともありますが・・・)
バイクも好きでサーキット走行や高校時代の友達とバイクツーリングにも出かけます。
フェリーを使って弾丸の九州ツーリングに行ったこともあります。

*好きな食べ物
ナタデココヨーグルトゼリー。
冷蔵庫にあると長女と取り合いになります。
*おすすめしたい飲食店
和 あいだ (堺筋本町)
奮発しておいしいご飯を食べたい時に訪れるお店です。
店主は高校時代の同級生です。
※個人的なおすすめです。