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2026年6月12日
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Sakai Medical Stories Vol.12 ラグビーで培った“泥臭さ”と、堺で磨く「外科医の志」

市民や医療従事者にとって“ほどよく専門的”で“温度のある情報”を配信する「Sakai Medical Stories」

   

Vol.12 ラグビーで培った“泥臭さ”と、堺で磨く「外科医の志」

初期研修医2年目 岩井 翔大 医師

救急外来や手術室という緊迫した現場において、卓越した医療技術と同じくらい、患者さんやスタッフを安心させる重要な武器があります。
それが、周囲の緊張をそっと解きほぐす「話しやすさ」と、泥臭く患者さんに寄り添い続ける熱意です。
今回は、大学時代にラグビー部主将としてチームを率いた経験を持ち、現在は有数の症例数を誇る当院の救急の最前線で日々命と向き合う初期研修医2年目 岩井 翔大 医師にインタビュー。
1年強の研修で実感した自身の成長や、ラグビー経験が生み出すチーム医療への貢献、そして理想の外科医像とこれからの展望についてお話を伺いました。

Q1.有数の救急搬送数を誇る当院を研修先として選ばれた理由と、2年目を迎えた現在の心境を教えてください。

志望理由の一つに「救急車受け入れ台数の多さ」がありましたが、実際に身を置いてみると、単に数が多いだけでなく疾患の幅が非常に広いことに驚きました。
急性疾患だけでなく、総合内科領域や膠原病、慢性疾患まで本当に幅広く、化学療法中の患者さんの急性増悪への初期対応など、他院なら専門医が担うような場面にも研修医が関わることができます。
想像以上に深く勉強になる環境だと感じています。
    

Q2.毎週木曜昼の「救急症例検討会」など、アウトプットの文化はいかがですか?

自分が救急外来で経験した症例について30〜40分かけて発表し、同期や上級医の先生方と議論を交わす場は、最大の学びになっています。
救急外来では、入院が決定すると病棟で他の医師に診ていただくため、そのままでは理解が浅くなりがちです。
しかし、こうして症例をみんなで深掘りし、自分の言葉でアウトプットすることで、「あの時、もっとこう気付けたな」という視点が増え、次の診療に直結しています。      

Q3.この1年強で、最も成長を実感したエピソードを教えてください。

脳卒中系の患者さんが搬送されてきた際の初期対応です。
1年目の頃はとにかく恐怖を感じて、上級医の指示をひたすら待つことしかできませんでした。
それが今では、上級医が対応するまでの間に、降圧薬の投与準備や頭部挙上、必要な同意書の取得などを先回りして判断できるようになりました。
上級医へのスムーズな橋渡しができるようになったことに、確かな成長を実感しています。
   

Q4.多職種が連携する現場で、ラグビー部主将としての経験が活きていると感じる瞬間はありますか?

大学時代の6年間、ラグビー部で「上級生と下級生のパイプ役」として信頼関係を築いてきた経験は、病院という多様な職種が混在する環境でも大いに活きています。
 私は普段から「誰からも話しかけやすい雰囲気づくり」を意識しており、看護師など他のスタッフから相談を受けた時は必ず「言ってくれてありがとうございます」と感謝を伝えるようにしています。 
そうした日々の積み重ねが、チームのスムーズな連携に繋がっていると感じます。   


     

Q5.多忙な研修生活の中で、意識しているルーティンはありますか?

プライベートは規則正しい生活とは程遠いのですが(笑)、病棟での研修中など、上級医との回診が終わった後でも、必ずもう一度自分一人で患者さんの元へ足を運んで様子を見るように努めています。
ラグビーで培ったその「足を運ぶ」泥臭さの継続こそが、今の私のルーティンかもしれません。   
    

Q6.切磋琢磨する同期はどのような存在ですか?

私は少し意志が弱いところがあるので、周りが高い意識を持って勉強してくれないと、自分もサボってしまうという恐怖心がありました(笑)。
今の同期たちは本当に熱心で、お互いに「アイツも頑張っているから、オレもやらないと」と焦りを与えてくれる存在です。
まさに背中を押され、引っ張っていってもらっている感覚があり、彼ら・彼女らの存在が自分を高める一番の原動力になっています。
       

Q7. 将来は消化器外科を志望されているとのことですが、外科ならではの醍醐味を教えてください。

最大の魅力は、やはり「自分の手で直接、患者さんの病気を治せる」というところです。
私は自分で自分をかなり不器用な方だと思っていますが、学生時代に初めて手術器具を触った時、あまりにも思い通りにできなくて愕然としました。
しかし、その経験が逆に「これからトレーニングして、できるようになっていくのが楽しみだ」という強いモチベーションに変わりました。
今では、自宅に内視鏡シミュレーターを置いて自主練習に励んでいます。
    

Q8. 患者さんの「本心」を引き出すために大切にしていることは何ですか?

高齢の患者さんは、痛みや不調があっても「若い先生に言うのは申し訳ない」「早く退院したいから我慢しよう」と本音を隠してしまうことが少なくありません。
そのため、お話しできそうな患者さんに対しては、まず自分のプライベート(高校時代の野球経験など)をオープンにするようにしています。
こちらから自発的に懐に入り、信頼してもらうことで、「実はここが痛くてな」という本当のニーズを引き出すように心がけています。

   

Q9. 4月からは後輩を指導する立場になりました。意識していることはありますか?

1年目の後輩に対しては、高度な医学知識よりも、まずは「社会人としてどう動くか」「事務的な処理をどう進めるか」という実務の基本を重視しています。
そのため、後輩がカルテを入力している時は必ず横に立ち、一緒に画面を見ながら教えるようにしています。
私が1年目の時に先輩からいただいた「教わる側の姿勢が絶対に必要だよ」という教えを胸に、まずは自分が手本となれるよう、真摯な姿勢で後輩の横に立つようにしています。
   

Q10. 命と向き合う日々の中で、医師としての価値観にどのような変化がありましたか?

「他人の人生を手助けしたい」という原点は変わりませんが、現場に出て強く感じるようになったのは、「全ての治療が、必ずしもその人のため(手助け)になるとは限らない」ということです。
消化器内科のローテーション中、抗がん剤治療を限界まで継続するか、それともQOL(生活の質)を最優先にして緩和に切り替えるかという重い意思決定の場に立ち会いました。
治療を止め、QOLを重視して他院へ転院された患者さんの紹介状を後日読んだ時、「ご家族に見守られながら、とても晴れやかな表情で旅立たれました」と書かれていました。
ただ病気を治すことだけが医療ではなく、患者さんがどう生きたいかという本音(アドバンス・ケア・プランニング)に寄り添う手助けこそが重要だと、この1年で深く痛感しました。
      

Q11.残りの研修期間でさらに吸収したいこと、そしてめざすべき「10年後の姿」をお聞かせください。

来年度からは当院の消化器外科の専攻医として残ることが決まっています。
だからこそ、残りの初期研修期間では、将来進む消化器外科と異なる診療科(心臓血管外科や呼吸器外科、脳神経外科など)を積極的にローテーションし、外科医としての幅広い視野を深めておきたいです。
そして10年後は、消化器外科医として手術支援ロボットを自在に操り、一人前として完全に独り立ちしてバリバリ執刀している外科医になっていたいです。
この現代の技術を自分のものにし、第一線で患者さんに貢献していたいです。
     

   

Beyond the White Coat

― 白衣の向こう側 ―

ここからは、医療や仕事の話から少し離れて、休日の過ごし方や好きなものなど、日常のひとコマから見えてくるスタッフの人となりや、ちょっと意外な一面をご紹介します。
   

プライベートについて教えてください!

昨年に入籍しました。式は今年挙げる予定で、先日前撮りに行ってきました。
趣味はゴルフと読書です。
読書は特に司馬遼太郎などの時代小説が好きで、歴史のロマンに浸る時間が良い息抜きになっています。
ゴルフは高校時代の友人たちと行くことが多く、今後は同期のメンバーともコースを回りたいです。
    

おすすめの飲食店を教えてください!

あびこ駅の近くにある、「フレンチおでん SanPa」です。
梅田で行列ができる有名店「コウハク(赤白)」の創業者の方が独立して新しくオープンされたお店なんです。
味のベースやレシピはあの名店のクオリティそのままに、ゆったりと、しかもリーズナブルに極上のフレンチおでんとお酒を楽しめる隠れ家的な名店です。

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