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放射線治療科

放射線治療はがん治療の三本柱のひとつで,文字通り放射線を腫瘍に当てて治療する、「切らずに治す治療」です。がんの治療に置いては、外科手術、化学療法(抗がん剤治療)と並んで有力な治療法ですが、手術のように痛みを伴わず、また全身に効く抗がん剤治療と比べても治療中・後の患者さんの生活の質(QOL: quality of life)を良好に保ちながらの治療が可能です。
放射線治療の技術は近年非常に発達を遂げ、標的である腫瘍に対し、より高精度に、より効率よく線量を投与することが可能となっており、当院でも最新のX線装置を導入して良好な効果を挙げています。
また、放射線内用療法として、多発骨転移で疼痛を伴う患者さんに対してメタストロン注(Sr-89)、去勢抵抗性前立腺癌骨転移(内分泌療法が効かなくなった、転移例)に対してゾーフィゴ注(Ra-223)、早期甲状腺癌術後のアブレーション治療として外来でのI-131内服療法も当科で実施しています。いずれの治療法も実施は堺市内では唯一の施設です。

このページの目次

対応疾患

放射線治療は文字通り放射線を腫瘍に当てて治療する方法で、がん治療の中で手術、化学療法(抗がん剤治療)と並んで有力な治療法です。手術のように痛みを伴わず、また全身治療である抗がん剤治療と比べても治療中の患者さんの生活の質(QOL: quality of life)を良好に保ちながらの治療が可能です。

また、放射線内用療法として、多発骨転移で疼痛を伴う患者さんに対してメタストロン注(Sr-89)、去勢抵抗性前立腺癌骨転移(内分泌療法が効かなくなった、転移例)に対してゾーフィゴ注(Ra-223)、早期甲状腺癌術後のアブレーション治療として外来でのI-131内服療法も当科で実施しています。いずれの治療法も堺市内では唯一の施設です。
放射線治療科では以下の疾患·病態に取り組みを強化しています。
前立腺癌:泌尿器科と協調を図り、IMRT適応患者の,待機期間の短縮に努めています。また去勢抵抗性前立腺癌の骨転移例に対してはゾーフィゴ注(Ra-223)の適用が可能です。
大腸癌:外科との協調を図り、術前化学放射線療法のより多くの適用を図ります。また、肝転移・肺転移症例に対しては定位治療(ピンポイント照射)を推進します。
肺癌:小結節末梢肺癌に対して体幹部定位放射線治療SBRTの適用を推進します。またIV期非小細胞肺癌に対しては個々の症例に応じ、カンファレンスで討論した最良の治療の適用を目指します。
乳癌:乳房温存術後照射を継続実施し、殊に局所限局性で化学療法を受けていない、ある患者に対しては42.56Gy/16回/4週の短期照射を実施しています。治療成績や晩期有害事象に関して50Gy/25回/5週の標準照射と差を認めないことが確認されています。
肝腫瘍(原発性・転移性):定位放射線治療やIMRTが可能となりますので、根治に向けた実施を考慮します。
造血器腫瘍:平成29年には29例が治療され、別表1では一部は原発部位(例えば胃MALTは原発=胃として)に含めていますので実数としては分散しています。血液内科とより協調を深め、局所ブースト治療の有効利用やIMRT適用などでの副作用のさらなる低減を目指します。治療全体として患者の肉体的・財政的負担の軽減を図るよう努めます。
骨転移:すべての悪性腫瘍で骨転移は痛みを伴うだけでなく、病的骨折をも来します。また脊髄・神経圧迫はその後の患者のQOLを著しく損なうので、一刻も早く治療する必要があります。当院では骨転移患者を原則として院内外を問わず事前に登録しておき、整形外科医・IVR医師等と協同で診療に当たる体制を取っております。
脳転移:がん治療の進歩で長期生存者が増え、脳転移の患者も増加しています。治療法も定位放射線治療(SRT)(いわゆるピンポイント照射)などで進歩が著しく、状況に応じた治療選択をする必要があります。当院では適切な治療選択ののち、場合によっては当院のリニアックによるSRTを適用します。

特色・強み

リニアック(直線加速器)による対外照射をあらゆる部位に対して適用しており、新病院への移転に伴い、平成27年からは最新の高精度放射線治療が可能となっています。それとともに治療する患者数も徐々に増加し、平成29年には新患者343 名(新規治療計画数390件)を治療しました。

放射線治療科部長として、前国立がんセンター(現国立がん研究センター)放射線治療部長であった池田 恢(いけだ ひろし)が平成20年1月に赴任し、経験・経歴を生かし、がん診療や放射線治療に関するあらゆるご相談・セカンドオピニオンを承っています。平成27年には常勤医師2名体制となりました。多くの院内カンファレンスにも積極的に参加しています。診療放射線技師2名は放射線治療専門放射線技師の資格を取っており、また常勤放射線治療品質管理士のほか、医学物理士(2名)の応援を受けています。
当科では放射線治療の実施とともに患者へのアメティーをも重視し、広くゆったりした待合室を設けています。また医療者や一般の方々にもよりよくご理解頂くため、当科を見学して頂くためのツアーを定期的に開催しています。

当院で実施する特殊照射

画像誘導照射
体内にある標的(腫瘍)は呼吸や腸蠕動によって絶えず動きます。新機器では標的への照射をより精度よく、無駄なく照射するために、毎回の照射位置合わせや、照射中の移動などに、組み合わされたExacTracや、搭載されたコーンビームCTなどを使って絶えず監視・修正することができます。4門(1回の治療の際に照射する方向の数)以上の照射や特殊な照射など、複雑な照射治療を行う場合に威力を発揮します。

強度変調放射線治療(IMRT)
「腫瘍に放射線を集中させ周囲正常組織への線量を減らす」ことを、より効率よく実施するために、専用機能を持った治療計画コンピュータを用いて照射野の形状を変化させたビームを、固定角度から複数門で用いる、あるいは回転させて照射するなどして腫瘍の形により適した放射線治療を行う治療です。例えば前立腺がんの場合など、すぐ後方の直腸への線量を下げるためにはこの方法を用いるので、副作用を増加させずにより多い線量を腫瘍に照射することができます。すべての腫瘍に適用可能ですが、現状では前立腺がん、頭頸部がん、脳腫瘍などに適応が限られています。また2名以上の放射線治療担当常勤医師がいることが条件となっています。

定位(および体幹部定位)放射線治療
多くの方向から集中して照射することでその部位の線量を格段に高めて、周囲の正常組織との線量の差を大きくします。「ピンポイント照射」とも呼ばれる照射法で、文字通りミリ単位の標的に狙い撃ち照射する方法をいいます。また、よく知られる「ガンマナイフ」、「サイバーナイフ」などはいずれもこの定位放射線治療のために開発された専用の機器の商品名ですが、当院のリニアックでもこの技術の実施は可能です。多くは脳の腫瘍(原発性や転移性)に適用されます。また体幹部定位放射線治療では、小さな末梢性肺がん(原発性、転移性)や肝臓の腫瘍などに適用します。2名以上の放射線治療担当常勤医師がいることが条件となっています。

多発骨転移で疼痛を伴う患者さんにメタストロン注(塩化ストロンチウムSr-89)治療は、府内で屈指の症例数を誇っています。

治療実績・成績

リニアック(直線加速器)による対外照射をあらゆる部位に対して適用しており、新病院への移転に伴い、平成27年からは最新の高精度放射線治療装置バリアン社製TrueBeam TMにBrainLab社製ExacTracを組み合わせ、強度変調放射線治療IMRTや定位・体幹部定位放射線治療SRT/SBRT(いわゆるピンポイント照射)などの、ミリ単位での精度を要求される,精緻で低侵襲な治療が可能となり,著明な副作用の軽減を達成できました。それとともに治療する患者数も徐々に増加しています。平成29年の年間新規患者数その他の実績を表1、2および3に示しますが、平成30年にはなお一層の患者数増加が見込まれています。

表1.平成29年度 放射線治療新規開始患者数 343人

1 脳・脊髄 3 8 婦人科 15
2 頭頸部 16 9 泌尿器系 50
  (うち 前立腺) (37)
3 食道 16 10 造血リンパ系 19
4 肺・気管・縦隔 71 11 皮膚・骨・軟部 4
  (うち 肺) (67)
5 乳腺 95 12 その他悪性腫瘍 0
6 肝臓・胆嚢・膵臓 8 13 良性疾患 0
7 胃・小腸・大腸・肛門 46 14 小児腫瘍(14歳以下) 0

表2.平成29年度 高精度放射線治療実施件数(患者数は表1と重複)

強度変調放射線治療IMRT 47 定位・体幹部定位放射線治療SRT/SBRT 12
内訳 前立腺 19 内訳 2
頭頸部 6 10
2
1
その他 19

表3.平成29年度 緊急照射対応実施件数(患者数は表1と重複)

全脳照射 15 食道通過障害 3
神経麻痺(予防も含む) 16 出血 3
SVC症候群 4 骨折予防 4
気道狭窄 3 骨転移(緊急以外も含む) 75

担当医師・スタッフ

池田 恢(いけだ ひろし)
職名 放射線治療科部長
放射線治療センター センター長
緩和ケア科医員
大学
(卒業年)
大阪大学(昭和42年卒)
専門分野 放射線治療全般
認定資格 日本放射線腫瘍学会認定医
日本医学放射線学会放射線治療専門医
日本がん治療専門医制度機構暫定指導医
第1種放射線取扱主任者
学会 日本頭頸部癌学会(会長、理事を歴任、現監事)
日本放射線腫瘍学会(理事、監事を歴任、現代議員)
日本医学放射線学会(理事、評議員を歴任)
日本癌治療学会(評議員を歴任、功労会員)
その他、ASTRO、ASCOなど所属学会多数
その他 医用原子力技術研究振興財団理事
放射線治療品質管理機構理事
放射線医学総合研究所重粒子線治療ネットワーク会議委員
モットー 状況に応じた的確な治療を受けていただくとともに、わかりやすい説明を心がけています。
大久保 裕史(おおくぼ ひろふみ)
職名 放射線治療科医員
大学
(卒業年)
大阪大学(平成22年卒)
専門分野 放射線治療
認定資格 放射線科専門医
学会 日本医学放射線学会
日本放射線腫瘍学会

外来診療日割表

G階   予約患者のみ

  

初診/再診

午前

池田 恢

大久保 裕史

大久保 裕史

池田 恢

大久保 裕史

午後--

池田 恢

大久保 裕史

-

施設認定

日本放射線腫瘍学会認定協力施設となっています。また、診断領域の放射線科と合わせて、日本医学放射線学会の放射線科専門医修練機関となっています。

研究発表

論文発表

平成29年

堺市立総合医療センターでの骨転移登録システムの構築 堺市立総合医療センター医学雑誌 2017;18:2-10. 池田 恢
大久保 裕史
第21回関西チーム医療研究会 当番世話人 2017年9月16日 大阪天満研修センター 池田 恢
巻頭言 出力測定事業、10年が経過して 線量校正センターニュース 第7巻 P. 1. 医用原子力技術研究振興財団 2017. 池田 恢

平成28年

「当院における悪性腫瘍脳転移に対する放射線治療指針」「堺市立総合医療センター放射線治療科における2016年の品質管理報告」「堺市立総合医療センター放射線治療科の実績と展望」 堺市立総合医療センター医学雑誌 2016 池田 恢
日本放射線腫瘍学会編「外部放射線治療におけるQAシステムガイドライン2016年版」で、総論1.4「施設QAとQAレベルの均質化」(pp. 6-8)、1.6「診療規模別放射線治療実施体制について」(pp. 14-17)、1.8「第三者監査」(p. 19)、臨床QA 3.1「放射線治療の流れ」(pp. 95-97)を担当 金原出版 2016. 池田 恢
技術の進歩に対応した財団業務の今後の展開について 線量校正センターニュース第6号 p.1.(公財)医用原子力技術研究振興財団発行 2016. 池田 恢
「堺市のがん~地域全体で取り組もう、堺バージョンのがん医療~」(第2版) 堺市立総合医療センター 2016. 池田 恢(編集総括)
「『放射線治療をしましょう』と言われたら…」、「放射線治療のポイントとは?―照射期間短縮を心掛けます」、「ハイテク放射線治療って、どんな治療?」、「注射による骨転移の放射線治療」を執筆。堺市立総合医療センター編「気になる病気と治療のお話」pp. 170 –180.バリューメディカル社 2016. 池田 恢
病院の移転と新しい放射線治療体制 新医療2016年12月号 pp. 32-36. 池田 恢

平成27年

巻頭言「QAの立場から放射線医学物理士の制度化を望みます」
線量校正センターニュース第5号 p.1. 2015.
池田 恢
単行本「イラストでよくわかる放射線治療・放射線化学療法とサポーティブケア」監修(じほう社) 池田 恢
乳癌看護webセミナーを監修 池田 恢
「私の放射線治療との関わりと、ピアサポーター」
ナガセランダウアNLだより No.453. 2015.
池田 恢

研究発表

平成29年度

開催日 学会等 演 題 演 者
9月16日 第21回関西がんチーム医療研究会発表 「チーム医療としての放射線治療」
「放射線治療見学ツアー~放射線治療部門についてより身近に感じて頂くための試み~」
「がん放射線療法看護研究会の活動報告」
「救命救急センター併設病院での骨転移登録システム構築の取り組み」
「がん相談支援センターを利用した地域住民のがん相談内容の分析」
池田恢
大久保裕史

平成28年度

開催日 学会等 演 題 演 者
11月25日~11月27日 日本放射線腫瘍学会第29回学術大会 Clinical results of locoregional radiotherapy for patients with cancer of the biliary tract Fujiwara M
4月14日~4月17日 第75回日本医学放射線学会総会 Evaluation of ambulatory treatment with nedaplatinbased concurrent chemoradiotherapy for cervical cancer in our hospital Fujiwara M

平成27年度

開催日 学会等 演 題 演 者
2月27日 第18回関西がんチーム医療研究会 がん放射線療法間後研究会発足の報告と今後の展望 酒見 美雪
2月27日 第18回関西がんチーム医療研究会 新病院放射線治療部門の発足と、それに伴う諸問題 池田 恢
2月19日 日生病院緩和ケア研修会講演 骨転移の放射線治療 -外照射と内用療法- 池田 恢
2月5日 南大阪がんのリハビリテーション研究会 がんリハと放射線治療 池田 恢
11月20日 Oral presentation, 28th Annual Meeting, Japanese Society for Radiation Oncology. Evaluation of ambulatory treatment with nedaplation-based concurrent chemoradiotherapy for cervical cancer in our hospital. Fujiwara, M
10月29日 第53回日本癌治療学会学術集会 乳房外Paget病に対して当院で局所放射線治療を施行した3例の検討 藤原 聖輝
7月18日 第1回がん放射線療法看護研究会 これからのがん放射線療法看護に期待すること 池田 恢
6月7日 12th International Stereotactic Radiosurgery Society Congress Treatment outcome using CyberKnife for brain metastases from breast cancer. Fujiwara, M

関連リンク