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診療科 - 大腸肛門外科 -

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大腸肛門外科

大腸肛門外科では主に大腸と肛門に関する外科的治療を行っています。大腸疾患では大腸がんなどの悪性腫瘍や大腸憩室炎などの良性疾患、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患に対する外科的治療を行っています。また、肛門疾患については痔核、裂肛、肛門周囲膿瘍、痔瘻以外にも肛門に関わる疾患に対する治療を行っています。

このページの目次

対応疾患

主として以下の疾患を診療しています。

腫瘍性疾患 大腸がん、大腸ポリープ
炎症性疾患 潰瘍性大腸炎、クローン病、大腸憩室炎
肛門疾患 痔核、肛門周囲膿瘍・痔瘻、裂肛
その他 直腸脱

特色・強み

当科では、大腸がんをはじめ、鼠径ヘルニアなどの良性疾患や、痔核や痔瘻などの肛門疾患まで、幅広く様々な大腸・肛門疾患の診療を行っております。
手術件数は2017年から年間450件を超え、そのうち全身麻酔下手術は350件を行っています。中でも大腸がんの手術件数は150件にもなります。

2012年頃から腹腔鏡下手術の導入に取り組み、近年では、ほぼ9割の大腸がん症例に対して腹腔鏡下手術を施行できるようになりました。もちろん、大腸がんだけでなく、鼠径ヘルニアや腹壁瘢痕ヘルニアなどの疾患に対しても、積極的に腹腔鏡下手術を実施しています。

2018年8月から直腸がんに対して、ロボット支援下手術 -da Vinci Xi- (ダビンチ)を導入しました。ロボットによる手術は、正確で繊細かつ複雑な手術操作を可能とし、低侵襲とされる腹腔鏡下手術に、安全性と根治性の向上を更に期待できる、次世代の手術術式です。当科での手術件数はまだまだ少ないですが、良好な成績を得ています。今後、更に適応を拡大して、より多くの患者さんに最新の先進医療を提供させて頂きます。

大腸がんの治療は手術療法だけではなく、再発・転移をもつ患者さんには抗がん剤治療や放射線治療、緩和治療も行っています。勘違いされることが多いのですが、大腸がんの抗がん剤治療は、入院を必要としません。専属の医師、看護師、薬剤師で構成される外来の化学療法センター(ATC)では、日々多くの患者さんが元気に通院で治療を受けています。
しかしながら、より多くの患者さんに満足して頂ける全人的医療を提供するためには、我々外科医だけでは力不足であり、他科の医師、看護師、薬剤師に加えて、理学療法士、ソーシャルワーカーなどの多職種で力を合わせ、様々な役割をもつチームを構成して、多面的に診療を行っています。

当院はより良い治療のエビデンスの確立を目指した臨床試験にも積極的に参加しており、日本臨床腫瘍グループ(JCOG)などの臨床試験を行っているグループに参加しています。

治療実績・成績

大腸がんの治療成績

2012年、2013年に当科で手術を行った大腸がんの治療成績になります。5年間の追跡を行っておりますが、生存率、再発率ともに全国データ(大腸癌研究会に基づく)と比較して遜色のない結果が得られております。 *他病死を含みます。

再発率
5年生存率

鼠径ヘルニア

年間100-120例の鼠径ヘルニア手術を行っています。高齢者に多い疾患でありますが、全身麻酔下手術に耐えうる患者さんには、腹腔鏡下修復術(TAPP)を提案させて頂きます。また、腰椎麻酔下でのクーゲル法やメッシュプラグ法などの従来の術式に加え、重篤な合併症があり手術を受けることが困難な患者さんに対しても、局所麻酔下での修復術(Lichtenstein法)を行っています。どのような患者さんにも可能な限り治療を検討致します。

腹壁瘢痕ヘルニア

腹部手術の合併症の一つである腹壁瘢痕ヘルニアは、日常生活に支障をきたし、整容性の点からも手術をお勧めしております。近年、腹腔鏡下修復術(IPOM)の有用性が報告され、当科においても積極的に行っています。年間20例前後の手術を行っており、半数以上の症例で腹腔鏡下修復術を実施しています。

肛門疾患

当科では痔核、痔瘻、直腸脱などの肛門疾患に対して、年間40例前後の手術を行っています。直腸脱に対する従来の手術術式は、再発率が高いことが大きな問題でありますが、低侵襲かつ根治性が高いとされる腹腔鏡下直腸固定術も当科では実施しています。

担当医師・スタッフ

中田 健(なかた けん)
職名 大腸肛門外科部長
消化器外科部長
緩和ケア科部長
緩和ケアセンター センター長
大学
(卒業年)
大阪大学(平成8年卒)
専門分野 消化器外科(大腸外科)
内視鏡外科
認定資格 麻酔科標榜医
日本外科学会認定医・専門医
近畿外科学会評議員
PEACE指導医
がん治療認定医
消化器外科専門医
消化器がん外科治療認定医
ストーマ認定士
内視鏡外科技術認定医(大腸)
モットー 大腸がん治療を中心として腹腔鏡手術・腹部救急・ヘルニア・肛門疾患・人工肛門・緩和医療に力を入れています。
個々の患者さんに最善の治療法を提供できるよう努力します。
大原 信福(おおはら のぶよし)
職名 大腸肛門外科副医長
大学
(卒業年)
奈良県立医科大学(平成21年卒)
専門分野 消化器外科
大腸肛門外科
認定資格 医学博士
日本外科学会専門医
日本消化器外科学会専門医
消化器がん外科治療認定医
学会 日本外科学会
日本消化器外科学会
日本大腸肛門病学会
日本内視鏡外科学会
日本癌学会
日本癌治療学会
日本臨床外科学会
モットー 医学の進歩に合わせて、患者様に最善の医療を提供できるよう日々精進いたします。

外来診療日割表

外来A   新患受付時間 8:15~11:00

    
  
初診/再診午前

中平 伸

(肝胆膵外科)

 

前田 栄
(外科)

合原 彩

(消化器内科)

中田 健

(大腸肛門外科)

 

中平 伸

(肝胆膵外科)

 

大原 信福
(大腸肛門外科)

伊藤 公子

(消化器内科)

 

藤田 淳也

(胃食道外科)

藤森 正樹

(消化器内科)

再診

午前

中平 伸

(肝胆膵外科)

 

中村 昌司

(消化器内科)

交替制

 

(消化器内科)

交替制

藤田 淳也

(胃食道外科)

大里 浩樹

(肝胆膵外科)

午後

合原 彩

(消化器内科)

 

中平 伸

(肝胆膵外科)

髙橋 俊介

(消化器内科)

 

藤森 正樹

(消化器内科)

中田 健

(大腸肛門外科)

 

大原 信福

(大腸肛門外科)

 

伊藤 公子

(消化器内科)


中村 昌司
(消化器内科)

 

中平 伸

(肝胆膵外科)

井関 隼也

(消化器内科)

 

藤田 淳也

(胃食道外科)

 

間狩 洋一

(胃食道外科)

北村 信次

(消化器内科)

 

中田 健

(大腸肛門外科)

 

三上 城太

(胃食道外科)

施設認定

疾患の解説

痔核(イボ痔)

痔核は、直腸末端から肛門にかけて網の目のように集まっている静脈(静脈叢)がふくらんでしまってできたものです。いわゆる静脈瘤ということです。排便時にいきむと肛門に負担がかかり、静脈の血液の流れを悪化させ、静脈のうっ血を来し、血管をふくらませる原因となります。これが習慣化していくことにより痔核(静脈瘤)が形成されます。さらに負担が加わると出血や脱出するようになります。この脱出してきた状態がいわゆる脱肛ということになります。痔核には発生する部位によって大きく分けて内痔核と外痔核があります。手術などの治療の対象となるのは主に内痔核です。痔核は便秘や下痢、長時間の座ったままや立ったまま、また激しい力仕事や運動により生じ悪化します。さらに妊娠や出産、アルコールや唐辛子などの辛いものも同様です。

診断方法

肛門診で診断できます。
肛門診は指針と肛門鏡を用いて行います。
痔核の分類としては以下のようになります。

痔核の分類

第1度 出血が主な症状で肛門の外に脱出しない
第2度 排便時に脱出するが、排便後自然の元に戻る
第3度 脱出後、手などで押し込まないと戻らない
第4度 排便と無関係に常時脱出している

治療方法

大きく分けて保存的治療、硬化療法、結紮療法、手術があります。

その他

肛門からの出血では痔核が原因であることが大半ですが、とりあえず腸に病気がないかどうかのチェックが必要です。痔核からの出血と思っていても検査すると大腸がんであったというようなことが時々ありますので、自己診断せずに一度は診察、検査を受けることが大切です。

大腸憩室炎

大腸憩室とは、大腸粘膜の一部が腸管内圧の上昇により嚢状(のうじょう)に腸壁外に突出したものです。ふつうは無症状で大腸内視鏡などの検査で偶然発見されることも多く、無症状であれば治療の必要はありません。しかし、便がつまったりすると炎症を起こし腹痛や発熱、下血の原因となることがあります。この状態が大腸憩室炎です。憩室は上行結腸とS状結腸に好発し、上行結腸の憩室炎では右腹部、S状結腸の憩室炎では左下腹部が痛みます。炎症がひどくなると、憩室に穴があき腹膜炎を起こし重症となることがあります。

診断方法

憩室そのものは内視鏡や注腸造影などの大腸の検査で偶然見つかることが多いです。憩室炎では血液検査で白血球増加やCRP上昇などの炎症所見や、CTで憩室周囲に炎症変化がみられます。上行結腸の憩室炎では、しばしば虫垂炎と間違えられることがあります。憩室に穴があき腹膜炎になると、炎症所見も高度となり、CTでも遊離ガスが認められます。

治療方法

軽症であれば抗生物質の点滴や絶食にして点滴で栄養を取ることで治る場合があります。憩室に穴があき腹膜炎となった場合や憩室周囲に膿みがたまったときは手術の適応となります。とくに腹膜炎を起こし、敗血症となった場合には救命を第一に、穴のあいた大腸を持ち上げて一時的に人工肛門を造設し、腹腔内をよく洗い、また膿がたまらないようドレーンという管をいれます。

研究発表

平成29年度

開催日 学会等 演 題 演 者
1月20日 第86回大腸癌研究会 当院の腹腔鏡下直腸癌手術における視野展開の工夫とエネルギーデバイスの選択 中田 健
10月20日~10月22日 第55回日本癌治療学会学術集会 進行再発大腸癌に対する化学療法の治療成績-抗EGFR抗体薬と抗VEGF抗体薬の比較 中田 健
7月20日~7月22日 第72回日本消化器外科学会総会 進行再発大腸癌に対する2次治療としての隔週XELIRI+ベバシズマブ併用療法に関する安全性・有効性の検討 中田 健
6月24日 第59回関西STOMA研究会 ストーマ管理困難に対する手術的アプローチ 中田 健
6月24日 第59回関西STOMA研究会 集学的治療を前提とした腹腔鏡下ストーマ造設術の検討 眞木 良祐
6月23日 第39回日本癌局所療法研究会 進行大腸癌の穿孔性腹膜炎に対する治療成績 中田 健

平成28年度

開催日 学会等 演 題 演 者
3月2日~3月3日 第53回日本腹部救急医学会総会 緊急で腹腔鏡下ハルトマン手術を行った下部消化管穿孔症例の検討 井上 稔也
3月2日~3月3日 第53回日本腹部救急医学会総会 大腸癌穿孔に対しDamage control surgeryを基本とした治療戦略 蛯原 健
3月2日~3月3日 第53回日本腹部救急医学会総会 腹腔鏡手術手技のEssenceが詰まった腹腔鏡下虫垂切除術 中田 健
2月17日~2月18日 第34回日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会総会 ストーマ傍ヘルニアに対する腹腔鏡下Sugarbaker法の検討 中田 健
1月20日 第86回大腸癌研究会 当院の腹腔鏡下直腸癌手術における視野展開の工夫とエネルギーデバイスの選択 中田 健
12月8日~12月10日 第29回日本内視鏡外科学会総会 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(TAPP法)における腹膜マーキングの試み 中田 健
11月24日~11月26日 第78回日本臨床外科学会総会 局所膨潤麻酔法を利用した低侵襲な緩和手術の試み 中田 健
10月20日~10月22日 第54回日本癌治療学会学術集会 進行再発大腸癌治療のサルベージラインにおけるRegorafenibとTAS-102の治療成績 中田 健
9月10日 第29回近畿内視鏡外科研究会 腹腔鏡下大腸癌手術の定型化と教育に役立つ5つの工夫 中田 健
7月14日~7月16日 第71回日本消化器外科学会総会 合併症と再発を減らす腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア修復術の工夫 中田 健
7月1日 第85回大腸癌研究会 大腸癌切除術において開腹手術が必要な症例の検討 中田 健
6月25日 第58回関西STOMA研究会 終末期癌患者に対し局所麻酔下に人工肛門造設術を施行した1例 黒野 由莉
6月10日 第38回日本癌局所療法研究会 治癒切除不能閉塞性左側大腸癌に対しステント留置後に化学療法を施行した7症例の検討 中田 健
5月14日 第199回近畿外科学会 ヘルニア門の縫合閉鎖を加えた腹腔鏡下腹壁ヘルニア修復術(IPOM-plus)の経験 西原 悠
5月14日 第199回近畿外科学会 腹腔鏡下後腹膜腫瘍摘出術を施行したカテコラミン産生性傍神経節腫の1症例 風間 亮
4月14日~4月16日 第116回日本外科学会定期学術集会 直腸切除術後の縫合不全に対する腹腔鏡下Drainage & Diverting Stoma造設術の検討 中田 健

平成27年度

開催日 学会等 演 題 演 者
3月3日~3月4日 第52回日本腹部救急医学会総会 切除不能閉塞性右側結腸癌に対する右半結腸分離手術の有用性 中田 健
2月19日~2月20日 第33回日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会総会 当院でのDiverting Stoma造設症例の検討 中田 健
12月10日~12月12日 第28回日本内視鏡外科学会総会 再発鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡下修復術(TAPP)の検討 中田 健
12月5日 第198回近畿外科学会 大腸ステント留置後SOX療法が奏効し腹腔鏡下に切除し得た、胃癌合併閉塞性S状結腸癌の一例 藪愛 紗美
11月26日~11月28日 第77回日本臨床外科学会総会 腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア修復術における三つの工夫 中田 健
11月26日~11月28日 第77回日本臨床外科学会総会 繰り返す小腸イレウスをきたした好酸球性胃腸炎の1例 笹松 信吾
10月29日~10月31日 第53回日本癌治療学会学術集会 切除不能進行再発大腸癌に対するTAS-102の治療経験 辻江 正樹
10月29日~10月31日 第53回日本癌治療学会学術集会 Clip-testによるI-OHP末梢神経障害の評価 中田 健
10月29日~10月31日 The 53rd Annual Meeting of Japan Society of Clinical Oncology Efficacy and feasibility of aprepitant in colorectal cancer patients receiving oxaliplatin-based chemotherapy(Phase Ⅲ SENRI Trial) Nakata K
9月12日 第28回近畿内視鏡外科研究会 腹腔鏡手術における縫合手技の意義と上達への道 中田 健
7月10日 第37回日本癌局所療法研究会 経皮的動脈塞栓術により止血を得た出血性進行胃癌の治療経験 平木 洋子
6月6日 第57回関西STOMA研究会 腹腔鏡下におこなう腹膜外経路ストーマ造設術の工夫 中田 健
5月22日~5月23日 第13回日本ヘルニア学会学術集会 腹壁瘢痕ヘルニア術後創感染に対して局所陰圧吸引療法を行いメッシュを保存し得た1例 平木 洋子
5月9日 第197回近畿外科学会 腹腔鏡下に切除し得た胆嚢結腸瘻の1例 市場 雄大
5月9日 第197回近畿外科学会 臍腸管遺残を術前診断し腹腔鏡下手術を施行した1例 山口 勇太
4月16日~4月18日 第115回日本外科学会定期学術集会 緩和ループストーマ造設術における挙上腸管の選択と手技の問題点 中田 健