新年のご挨拶
新年あけましておめでとうございます。
新型コロナウイルス感染症の流行が始まり、はや3年が過ぎようとしています。しかし、未だ収束の道は明らかではありません。この間、私どもは堺市唯一の感染症指定医療機関として堺市内の新型コロナウイルス感染症対策に積極的に取り組んできました。今後とも引き続き市内全体の診療体制を整えて参ります。
また、「予防医療」を中心に据えた第3期中期計画も3年目となり、市民の皆さんの健康寿命の延伸を目標に、新設した疾病予防管理センターが中心となって活動しております。同センターでは、新型コロナウイルス感染症に対して、ワクチン接種の啓発や副反応調査を行う等、病院の枠を超えた積極的な取り組みを実施してきたほか、生活習慣病やフレイルに対しての具体的な活動も進めております。
引き続き、市民の皆さんのご協力を頂けますと幸いです。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
令和5年 元旦
地方独立行政法人 堺市立病院機構
理事長 門田 守人
新年明けましておめでとうございます。
今年当院は創立100周年を迎えます。「これまでの100年を振り返り、これからの100年に繋げていきたい」と考えております。当院の歴史は、決して平坦な道ではありませんでした。1923年(大正12年)堺市立公民病院として開院しましたが、11年後の1934年には火災で全焼、1945年敗戦の直前の堺大空襲で宿院町にあった前の前の病院の中館は甚大な被害を受けましたが、数ヶ月で復旧させました。その後、1951年東館、1957年に西館が完成しました。私も1984年から3年間その病院で研修しました。1995年に阪神淡路大震災があり、1996年には堺市の学校給食でO-157の集団食中毒が発生しました。当院の夜間の救急外来に10人の下痢や血便を主訴とするお子さんが受診したことが始まりで、重症患者の治療にもあたりました。そして、2020年にはじまった新型コロナウイルス感染症パンデミックです。多数の中等症・重症患者を治療しただけではなく、市内全体の病床数の確保や搬送困難事案に対応する当番表の作成、高齢者施設における医療介入チームの編成など、市内全体の感染症対策を医師会、行政、近隣の医療機関と協力して創りあげ、大阪府下の他の二次医療圏と比較して、より高率に市内で入院患者を受け入れることができました。この新興感染症の世界的な流行は、現代の医療の抱える課題を我々に提示したのではないでしょうか。今年こそ、この新型コロナウイルス感染症が終息することを願ってやみませんが、それと同時にわれわれは、終息後の医療のあり方や当院の進むべき方向性を今年は考えなければならないと感じています。そういう時期に創立100周年を迎えることは不思議な巡り合わせと感じます。
次にこれからの100年に目を向けてみますと、日本は急速に少子高齢化が進んでいきます。参考にできる前例があるわけではありません。
『It takes courage to sail in uncharted water』(勇気を持って海図のない航海に出よう)
地域の住民の方々も職員も勇気を持って当院を舟に見立てて大海原に一緒にこぎ出して、少子高齢社会の中でも市民の方々が健康で生きがいを持って過ごせる地域を作りましょう。これまで高度成長してきた日本の社会の中で培ってきた医療提供体制や医療人のキャリアパスは社会の変革にあわせて変わらざるを得ないでしょう。これまでに、先輩方が築き上げてきたこの病院をさらに発展させるべく、職員一同力を合わせて、地域の住民の方々の健康の向上、健康寿命の延伸のために当院は邁進していきたいと思います。さらに、このような大冒険は当院単独では到底できません。行政、近隣の医療機関とも連携・協力が不可欠です。また、市民の方々のご理解が必要です。これまで以上に皆さんからのご意見やご要望をお聞かせいただきたいと思っております。当院からもこれまで以上に積極的に様々な情報発信を皆さんに向けてしていきたいと考えております。
皆さんの当院へのさらなる信頼をいただくため、職員一同、堺市の医療に貢献して参りますので、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
令和5年 元旦
地方独立行政法人 堺市立病院機構
堺市立総合医療センター
院長 大里 浩樹