メッセージ・総論
肺癌は最も患者数が多い癌の一つですが、治癒が難しい疾患です。当院では患者さんごとにご本人やご家族と相談しながら、できるだけ副作用が少なく、効果の高い治療を目指しています。
咳・痰・血痰などの症状が出現することがあります。また、胸部以外の部位の痛みや麻痺など転移による症状が認められることもあります。しかし肺癌は無症状のまま進行することも多く、定期的にレントゲンやCTでの検診を受けていても発見時には進行肺癌であったという患者さんもおられます。
肺癌の原因の多くは喫煙です。喫煙は他の多くの疾患の原因にもなりますので、当院では禁煙を強くお勧めしています。一部の癌はアスベスト(石綿)などが原因ではないかと疑われることもあります。
診断方法
CTやレントゲンで癌を疑う"影"がどこにあるかを確認します。癌を疑う"影"がある場合、それが本当に"癌"であるかどうか診断を確定することが必要です。そのために気管支鏡検査や経皮肺生検を行います。癌であった場合、転移しているかどうか調べるため、MRI・骨シンチ・造影CT・PETなども行います。
気管支鏡検査は、胃カメラのように口から内視鏡を入れて胸の中を調べる検査です。経皮肺生検は、体に針を刺して直接"影"を調べる検査です。これらは本来、多少の苦痛を伴う検査です。当院ではこれらの検査中に軽い麻酔を使用することで、できるだけ苦痛が少なく検査ができるように心がけています。
MRI・骨シンチ・造影CTは通院で行うことができます。稀に検査用の薬剤の副作用がでることがありますが、多くの場合苦痛は伴いません。PET検査(positron emission tomography)が必要なこともあり、近隣の協力病院を紹介させていただきます。
治療方法
癌の治療は手術・抗癌剤治療・放射線治療を組み合わせて行いますが、当院はいずれの方法も実施することができます。実際にどの治療法を行うのかは患者さん個々の病状によって異なりますので、主担当医とご相談下さい。当院では学会などを通じて多くの情報を集め、医学的根拠に基づいた治療を行っております。
| 手術 | 肺癌では早期肺癌の場合、治癒を目指した治療として手術を行います。当院では呼吸器外科専門医による手術を実施しています。 |
|---|---|
| 化学療法 | 化学療法は肺癌治療の要であり、手術をした患者さんもそうでない患者さんも多くの方が化学療法を受けられます。当院では約15種類の抗癌剤を単剤・併用で使用し、約35通りの治療法を準備しています。副作用が少なく、効果が大きい治療法が年々開発されています。 また、化学療法は入院を必要とすることもありますが、通院でお仕事や自宅療養をしながら治療が行えることも多く、その時には外来化学療法室がサポートします。 |
| 放射線治療 | 早期肺癌の場合には治癒を目指した治療として放射線治療を行います。治癒を目指せない病状であっても、放射線治療を行うことで症状緩和が期待できることがあります。 |
治療方針決定の中心は患者さんご自身です。癌の診療には多くの診療科が関わりますが、呼吸器内科医または呼吸器外科医が主担当医として治療全体をコーディネートさせていただきます。
治療実績
| 原発性肺癌 | 手術症例 28例 (葉切除 17例など) |
|---|---|
| 転移性肺腫瘍 | 手術症例 11例 |
| 気管支鏡 | 270件 (2010年・他疾患を含む。) |
| 肺癌入院患者 | のべ300人(2010年) |
その他
当院では、「手術・抗癌剤治療・放射線治療」などの単なる癌の治療のみならず、癌を患った患者さんが自分らしく生活していけるよう、様々なサポートをさせていただいています。
- 医療相談[治療費用、生活保護、介護保険申請などの相談]
- 緩和ケア認定看護師[癌患者ケアの専門家。精神面のサポート]
- がん緩和ケアチーム[緩和ケアの専門チーム。]
- 外来化学療法センター[通院で化学療法を行う時にサポート]
- 栄養サポートチーム[体重が減りがちな癌患者さんを栄養面でサポート]
- がんセンター[当院の癌診療全体を調整しています]






