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血液がん

血液がんについて

1.急性白血病:AML・ALL

血液は骨の中の「骨髄」という組織で造られます。骨髄の中には血の元になる色々な細胞がいます。
血液は造血幹細胞という一種の「種」のような細胞から、未熟な細胞にかわり、次第に成熟したそれぞれの血球になってゆきます。この中の白血球になってゆく未熟な細胞が、「がん化」してどんどん増え、体に悪い作用を及ぼす病気が白血病です。白血病になると、正常の赤血球・正常の白血球・正常の血小板が造れなくなります。赤血球が減ると、めまい・息ぎれなどの貧血症状が出ます。正常の白血球が減ると感染を起こしやすくなり肺炎・発熱などがおこります。血小板というのは、出血を止める成分なので、血小板が減ると、簡単に出血を起こし、皮膚に出血斑がでたり、歯茎・口腔内出血、鼻血などが止まらなくなります。診断は血液検査・骨髄検査などです。

治療は強い抗癌剤で白血病細胞をやっつけることです。通常は「体内の白血病細胞をゼロにする」ことを目標として、多種類の薬を組み合わせて、強力に白血病細胞をたたきます。白血病細胞を皆殺しにする治療のため、正常細胞もものすごく減少し、無菌室に入って清潔な環境で感染症を遠ざけるようにしたり、赤血球・血小板輸血が必要になります。感染症で熱が出れば、抗生剤で細菌をやっつけてゆきます。このようにして、強い抗癌剤の使用と、十分な支持の治療を組み合わせて「寛解」という状態にもってゆきます。白血病細胞が見当たらず、血の造りが正常になっている状態が寛解です。この後も地固め療法・強化・維持療法など、長期に抗癌剤治療がくり返されます。寛解に入った人の中から、治るひとも出てきます。当院では5年生存率:60%ぐらいが見込めています。

2.悪性リンパ腫:ML

悪性リンパ腫とは、リンパ球が「がん化」してどんどん増えてゆき、体に害を及ぼす病気です。リンパ球とは、免疫を担当する白血球で、体内に入ってきた「異物」を除去する(=免疫)働きを持ちます。リンパ球はリンパ節や扁桃腺・脾臓など全身に分布していますが、リンパ節やリンパ系の組織に多く存在します。そのためリンパ球ががん化すると、これらのリンパ組織が腫れてきます。首・腋・鼠径部などのリンパ節が腫れたり、いろんな臓器に出てきたりします。

診断は、腫れているリンパ節を手術で取り出し、顕微鏡で調べる病理診断で確定されます。また、CTやPETなどで、腫れている部位をみつけ、広がり具合を調べます。

顕微鏡の検査で、どのタイプのリンパ腫であるかという分類も非常に大切です。というのは、病型によって、色々なタイプに分けられ、病気の進行具合や治療の方法が変わってくるからです。ゆっくり進むタイプ・速く進むタイプ・直ちに治療が必要なタイプなどがあるからです。また分類で大切なことは、リンパ球には大きく分けて、T細胞とB細胞があり、TかBかで病型や治療法、予後も変わってきます。

治療は、抗癌剤・免疫療法・放射線療法などがあります。標準的な化学療法はCHOP療法と言われています。B細胞性リンパ腫では、リツキシマブという免疫製剤が併用されたR-CHOP療法が標準治療となり、治療成績が上がるようになりました。

3.多発性骨髄腫

免疫を担当するリンパ球の一つに、B細胞の一番分化した細胞である、「形質細胞」と呼ばれる細胞があります。この細胞はズバリ「抗体」を作る細胞です。この、形質細胞が「がん化」した病気が多発性骨髄腫です。この病気は非常にややこしい病状を示します。
まず、抗体を作る細胞であるため、役立たずの抗体をどんどん一方的・多量に作り出します。この役立たずの蛋白を「M蛋白」といい、血液をねばねばにしたり、腎臓に詰まって腎障害をおこしたりします。
また、骨を造る細胞にも影響を与えるため。骨が壊されて、骨痛が出たり、病的骨折をおこします。また、骨髄でがん化するため、他の正常血液細胞を押さえつけ血を造らせないようにするため、貧血・白血球減少・血小板減少などを伴います。特に貧血が多いです。

診断は血液中のM蛋白の証明と骨髄の骨髄腫細胞の証明です。骨のレントゲン写真なども参考になります。

治療は骨髄腫細胞を減らす治療と、症状を和らげる治療があります。骨髄腫細胞を減らす治療は、抗癌剤・ボルテゾミブ・ステロイドホルモン・サリドマイド・などがあります。
症状緩和の治療は、主に骨痛に対して、ゾメタなどの骨を丈夫にする特殊な薬や、放射線療法、麻薬などの鎮痛薬などです。

また、免疫が落ちやすく、肺炎などの感染症に注意が必要です。

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特殊なタイプの白血病の生存率

当院オリジナルのMEtA療法で治療した結果です。難治性疾患ですが、長期生存・長期寛解・治癒例などが認められ、非常に良好な成績です。

三系統の異形成を伴う急性骨髄性白血病・骨髄異形成症候群から移行した急性骨髄性白血病


末梢性T細胞性リンパ腫非特異型(PTCL-U)の生存曲線

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