診療のご案内

  1. ホーム
  2. 診療のご案内
  3. ネットで知ろう病気の“はなし”
  4. 肝炎

肝炎

メッセージ・総論

慢性肝炎は、肝臓の細胞(肝細胞)が長期間にわたり持続する炎症によって壊れる病気です。次第に肝臓に線維が増加して(線維化)硬くなり、肝硬変となり、肝がんを合併する場合もあります。

わが国の慢性肝炎の90%がB型やC型の肝炎ウイルスの感染によるものです。比較的まれなものとして、女性に多くみられる自己免疫肝炎(ルポイド肝炎)があります。慢性肝炎に特有の症状はなく、多くの場合、血液検査の異常で発見されます。慢性肝炎と診断されたら、さらに精密な血液検査により原因を明らかにして、病気の程度に応じた治療を受ける必要があります。

診断方法

慢性肝炎は、まったく症状がないことが多いため、診断は血液検査によってなされます。血液検査の結果、GOT(AST)、GPT(ALT)の値が高いときは、肝臓障害が考えられます。GOT、GPTは、肝細胞に含まれている酵素で、肝細胞が壊れると血液中に出てくるのです。肝臓障害の原因を調べるには、肝炎ウイルスの検査が重要です。肝臓障害が疑われたときは、必ず血液中のB型肝炎ウイルスの抗原(HBs 抗原)、C型肝炎ウイルスの抗体(HCV 抗体)を検査して下さい。HBs抗原が陽性であればB型慢性肝炎、HCV抗体が陽性であればC型慢性肝炎の可能性がきわめて高いといえます。C型肝炎ウイルスは1型と2型に分類されますが、インターフェロン治療は2型に対してより効果があります。また、血液中のウイルス量が少ない患者さんのほうが、治療によりウイルスが排除される確率は高くなります。

慢性肝炎が疑われたら、超音波検査などの画像検査で、肝臓の形や、脾臓の大きさを観察します。診断を確実にするために肝生検が行われてきました。これは、小さな針を肝臓に刺して肝臓のごく一部を採取して、顕微鏡で直接観察する検査です。しかし、肝生検には1泊2日の入院が必要なので、全ての患者さんに行うわけにはいきません。

肝生検ができない場合には血小板数や超音波検査などから、慢性肝炎の程度(軽度、中等度、高度)や肝硬変に至っているか否かを推定しています。

ページの先頭へ戻る

治療方法

B型およびC型慢性肝炎の治療では、肝炎ウイルスに対する薬物療法が最も重要です。抗ウイルス薬として、B型肝炎ウイルスにはインターフェロンと核酸アナログ(エンテカビル、ラミブジン、アデフォビル)があり、C型肝炎ウイルスにはインターフェロン(ペグインターフェロン)とリバビリンが用いられています。

B型肝炎ウイルスに対する抗ウイルス薬は、1日1回の内服で肝臓のウイルス量を減少させる効果があります。HBe抗原陽性からHBe抗体陽性にかわることを、"セロコンバージョン"といいますが、HBe抗原陽性の患者さんを治療して"セロコンバージョン"させることができると、ウイルスが駆除されなくても、GOT、GPTの値が正常化する可能性が高くなります。ただし、医師に相談しないで、勝手に服薬をやめると、ウイルスが急に増えて、重篤な肝炎が起こる場合がありますので、服薬する期間については担当医の指示にしたがい服薬を続けることが重要です。

C型慢性肝炎の治療では、ウイルスを肝臓から排除することが重要です。駆除に成功すれば、肝硬変への進展が抑えられるだけでなく、肝の線維化の改善もみられ、その結果、肝がんの発生も大きく(10分の1程度に)減少します。ペグインターフェロン・リバビリン併用(又はペグインターフェロン単独)療法は、1週間に1回の皮下注射と毎日の内服を24週から48週(場合によっては72週)施行します。世界で最も進んだ治療法で、今迄治りにくいとされていた型(遺伝子型1b)でウ イルス量の多い肝炎の患者さんの50%以上がこの治療で完全に治るようになりました。遺伝子型(2a、2b)の患者さんは、この治療で90%完治します。しかし発熱や皮疹などの副作用が出やすく、まれに間質性肺炎、うつ病など重篤なものもみられ治療の継続が困難な場合もあります。

抗ウイルス薬が効かない場合には、肝庇護薬(強力カネオミノファーゲンC、ウルソ)やしゃ血を行います。これらの薬や治療により肝細胞の破壊が軽減され、GOT、GPT値が低下すると、肝硬変へと進むスピードはゆっくりとなり、肝細胞がんの発生も先延ばしにできます。

自己免疫性肝炎の場合は、免疫の力を抑えるために副腎皮質ステロイドを使います。これにより、ほとんどの患者さんでGOT、GPT値は正常化します。

ページの先頭へ戻る

治療実績

2010年新規患者数
B型慢性肝炎 32人
エンテカビル導入 14人
C型慢性肝炎 65人
インターフェロン導入 22人
自己免疫性肝炎 13人

ページの先頭へ戻る

その他

当院ではC型慢性肝炎治療を開始し、その後地域医療の先生方と協力し治療を継続していくための堺市医師会地域連携パスを採用しています。普段の治療はお近くの地域医療で、定期的な検査や急変時の対応は当院で施行しています。患者さんが有効に時間を使え、治療を安全に継続していただけるようにサポートをさせていただいています。

ページの先頭へ戻る