メッセージ・総論
乳がんの診療はエビデンスに基づいたガイドラインに沿ってなされるべきであり、乳腺チームはそこをきわめて重く考えています。
また、これらがなされるために積極的に臨床試験や治験に参加することにより患者さんの利益とエビデンスの構築を両立できるよう努力しています。
こうした世界標準に基づく診療を高い次元で円滑に実践するには医師、薬剤師、看護師、検査技師、理学療法士などのエキスパートがその専門性を発揮し協調して取り組むことが不可欠です。
高レベルなチーム医療体制の維持なくして患者さんへの安心の提供は困難と考えます。
乳腺チーム内には乳癌学会専門医のほか、がん専門薬剤師や乳がん看護認定看護師が在籍しチームのリーダーとして活躍しています。
診断方法
視触診、マンモグラフィー、超音波を必須とし、穿刺吸引細胞診もしくは針生検(吸引補助下針生検マンモトームも含む)にて確定診断後、MRIにて病巣の広がりを、またCTと骨シンチグラフィーなどで転移検索を行います。
病期分類を考慮し治療戦略を立てます。
治療方法
大きく分けると①手術 ②放射線 ③薬物療法 ④進行再発乳がんに対する治療があげられます。
①手術は画像精査の結果と患者さんの希望に応じて乳腺部分切除術、胸筋温存乳房切除術、さらにこれらに一期的もしくは二期的再建術を付加することもあります。
腋窩リンパ節郭清はセンチネルリンパ節生検を行った上で省略の可否を判断します。
②乳腺部分切除術を行った場合は術後に残存乳房へ放射線照射を行います。
また、乳房切除術においても腋窩リンパ節転移が高度であった場合は胸壁+鎖骨周囲への照射を行います。
③術後再発を防ぐ目的で薬物療法を行います。
ホルモン療法、化学療法、分子標的治療などがあり病理検索の結果をふまえ患者さんごとに選択します。
こうした術後薬物療法により再発する確率をおおよそ半分に減らすことができます。
④進行再発乳がんの場合は、完全にがんを消滅させることが困難な場合が多く①、②、③を組合せいかに進行を遅らせるかということが主体となってきます。
治療の中心は薬物療法であり最近では薬物の種類や使い方も多彩となってきています。
治療を続けながら仕事や家事など普段の日常生活をおくることも十分可能です。
薬物療法は原則、外来化学療法室(ATC)にて通院治療が可能です。
治療実績
手術(2010年)

外来化学療法(2010年)
1103名(のべ)
| 期間 | Stage0 | StageⅠ | StageⅡ | StageⅢ | StageⅣ |
|---|---|---|---|---|---|
| 5年生存率(%) | 100 | 95.7 | 87.2 | 72.5 | 68.5 |






