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大腸肛門外科

大腸肛門外科では主に大腸と肛門に関する外科的治療を行っています。大腸疾患では大腸がんなどの悪性腫瘍や大腸憩室炎などの良性疾患、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患に対する外科的治療を行っています。また、肛門疾患については痔核、裂肛、肛門周囲膿瘍、痔瘻以外にも肛門に関わる疾患に対する治療を行っています。

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対応疾患

主として以下の疾患を診療しています。

腫瘍性疾患 大腸がん(後述します)、大腸ポリープ
炎症性疾患 潰瘍性大腸炎、クローン病、 大腸憩室炎(後述します)
肛門疾患 痔核(後述します)、肛門周囲膿瘍・痔瘻、裂肛
その他 直腸脱

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特色・強み

大腸・肛門疾患に対しては主として外科的治療を行いますが、大腸がんに対する取り組みは外科的治療だけではなく抗がん剤治療、放射線治療や早期からの緩和ケアを行うためには、院内の外来化学療法センター(ATC)、緩和ケアチーム、栄養サポートチームなどが多面的に関与しています。転移や再発に対しても抗がん剤による化学療法や放射線治療も積極的に行っています。化学療法については通院しながらの外来化学療法がほとんどで、外来化学療法センター(ATC)で行っています。また、がんの緩和医療についてもがんセンター長である福永医師を中心とした緩和ケアチームが対象となる入院患者に対して毎週回診を行い的確なアドバイスを行っています。また、がん患者は他の疾患と比較して低栄養となるリスクが高く、栄養面からサポートを行うことが重要となってきます。こちらについては、栄養サポートチーム(NST)で医師、看護師、管理栄養士、薬剤師だけでなく臨床検査技師や言語聴覚士、歯科衛生士などの多職種が関わることで栄養面でのサポートを行っています。また、当院はより良い治療のエビデンスの確立を目指した臨床試験にも積極的に参加しており、日本臨床腫瘍グループ(JCOG)などの臨床試験を行っているグループに参加しています。

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治療実績・成績

大腸癌の手術件数

おおよそ年間120件前後の大腸癌の手術を行っています。

大腸癌の治療成績

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担当医師・スタッフ

 drhukunaga.jpg 氏名 福永 睦 (医学博士)
職名 がんセンター長
大学(卒業年度) 関西医科大学  (昭和61年卒)
専門分野 消化器外科(大腸外科)、緩和医療、ストーマリハビリテーション
認定資格等 外科学会専門医・指導医、大腸肛門病学会専門医・指導医、消化器病学会専門医、消化器内視鏡学会専門医、消化器外科学会認定医、乳癌学会認定医、臨床腫瘍学会暫定指導医、緩和医療学会暫定指導医がん治療認定医、がん治療暫定教育医、近畿外科学会評議員、ストーマリハビリテーション学会評議員日本家族性腫瘍学会評議員、日本緩和医療学会代議員、大腸癌研究会施設代表、JCOG大腸がんグループ研究責任者
学会 日本外科学会、日本消化器外科学会、日本臨床外科学会、日本癌学会、日本癌治療学会、日本大腸肛門病学会、日本消化内視鏡病学会、日本消化器病学会、日本内視鏡外科学会、日本乳癌学会、日本胃癌学会、日本外科系連合学会、日本緩和医療学会、日本臨床腫瘍学会日本ストーマリハビリテーション学会、日本家族性腫瘍学会
モットー 標準治療に基づいた個別化治療をチームで推進します。手術だけではなく、化学療法、緩和ケアにも力を入れています。
drtakemoto.jpg 氏名 武元 浩新 (医学博士)
職名 大腸肛門外科担当部長
大学(卒業年度) 大阪大学医学部   (平成5年度卒)
専門分野 消化器外科、大腸肛門外科、がん治療、栄養管理
認定資格等 日本外科学会専門医指導医、日本消化器外科学会専門医、がん治療認定医、がん治療暫定教育医、日本臨床腫瘍学会暫定指導医、日本大腸肛門病学会専門医、日本静脈経腸栄養学会評議員、近畿外科学会評議員、日本静脈経腸学会学会認定医
学会 日本外科学会、日本消化器外科学会、日本臨床外科学会、日本消化器内視鏡学会、日本癌学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会、日本大腸肛門病学会、日本内視鏡外科学会、日本胃癌学会、日本食道学会、日本静脈経腸栄養学会、日本家族性腫瘍学会、日本外科系連合学会

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施設認定

  • 日本大腸肛門病学会認定教育施設
  • 大腸癌研究会参加施設

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疾患の解説

痔核(イボ痔)

痔核は、直腸末端から肛門にかけて網の目のように集まっている静脈(静脈叢)がふくらんでしまってできたものです。いわゆる静脈瘤ということです。排便時にいきむと肛門に負担がかかり、静脈の血液の流れを悪化させ、静脈のうっ血を来し、血管をふくらませる原因となります。これが習慣化していくことにより痔核(静脈瘤)が形成されます。さらに負担が加わると出血や脱出するようになります。この脱出してきた状態がいわゆる脱肛ということになります。痔核には発生する部位によって大きく分けて内痔核と外痔核があります。手術などの治療の対象となるのは主に内痔核です。痔核は便秘や下痢、長時間の座ったままや立ったまま、また激しい力仕事や運動により生じ悪化します。さらに妊娠や出産、アルコールや唐辛子などの辛いものも同様です。

診断方法

肛門診で診断できます。
肛門診は指針と肛門鏡を用いて行います。
痔核の分類としては以下のようになります。

痔核の分類
第1度 出血が主な症状で肛門の外に脱出しない
第2度 排便時に脱出するが、排便後自然の元に戻る
第3度 脱出後、手などで押し込まないと戻らない
第4度 排便と無関係に常時脱出している
治療方法

大きく分けて保存的治療、硬化療法、結紮療法、手術があります。

  • 保存的治療
    薬を用いることと生活習慣の改善を行います。
    薬には坐薬、軟膏などの外用薬と内服薬があります。
    外用薬には出血を止めたり、痛みを止めたりする効果があります。
    内服薬には痔核を萎縮させたり痔核の血流改善を目的とするものや便秘を防ぐための緩下剤があります。
    生活習慣については排便のコントロール、飲酒や刺激物摂取の節制、長時間の座りっぱなしや立ちっぱなしを避けるといったことが挙げられます。
  • 硬化療法
    痔核に硬化剤を注射する方法です。硬化剤により痔核の血管周辺に炎症を起こさせて、線維化させることにより出血を防ぎます。硬化剤としては最近ではATLA(ジオン)がよく使われています。外来で行えますが、場合によっては入院で行うこともあります。注射によって出血を抑える効果は絶対的ですが、永続性はなく、1年くらい有効です。
  • 結紮療法
    痔核に輪ゴムをかけ、結紮する方法です。ゴム輪結紮器という特殊な器具を用いて輪ゴムを痔核の根部にはめ込みます。原則として内痔核にのみ行うので麻酔なしで行うことができます。
  • 手術
    保存的治療や硬化療法などを行っても出血を繰り返す場合や、脱出による痛みなどのために日常生活に支障を来すような場合は手術の適応となります。通常は第3度、第4度の痔核が手術の適応となります。手術は、結紮切除術とPPH法があります。
    結紮切除術は痔核に流入する血管を結紮して、痔核を部分的に切除する方法です。当院ではVeesel Sealing System(VSS, リガシュア)を用いて切除することにより従来の手術と比較して出血を少なく時間を短縮して行うことができます。
    PPH法は特殊な専用の器械を用いて直腸粘膜を切除、縫合することにより短縮させ脱肛を起きないようにする方法です。
その他

肛門からの出血では痔核が原因であることが大半ですが、とりあえず腸に病気がないかどうかのチェックが必要です。痔核からの出血と思っていても検査すると大腸癌であったというようなことが時々ありますので、自己診断せずに一度は診察、検査を受けることが大切です。

大腸憩室炎

大腸憩室とは、大腸粘膜の一部が腸管内圧の上昇により嚢状(のうじょう)に腸壁外に突出したものです。ふつうは無症状で大腸内視鏡などの検査で偶然発見されることも多く、無症状であれば治療の必要はありません。しかし、便がつまったりすると炎症を起こし腹痛や発熱、下血の原因となることがあります。この状態が大腸憩室炎です。憩室は上行結腸とS状結腸に好発し、上行結腸の憩室炎では右腹部、S状結腸の憩室炎では左下腹部が痛みます。炎症がひどくなると、憩室に穴があき腹膜炎を起こし重症となることがあります。

診断方法

憩室そのものは内視鏡や注腸造影などの大腸の検査で偶然見つかることが多いです。憩室炎では血液検査で白血球増加やCRP上昇などの炎症所見や、CTで憩室周囲に炎症変化がみられます。上行結腸の憩室炎では、しばしば虫垂炎と間違えられることがあります。憩室に穴があき腹膜炎になると、炎症所見も高度となり、CTでも遊離ガスが認められます。

治療方法

軽症であれば抗生物質の点滴や絶食にして点滴で栄養を取ることで治る場合があります。憩室に穴があき腹膜炎となった場合や憩室周囲に膿みがたまったときは手術の適応となります。とくに腹膜炎を起こし、敗血症となった場合には救命を第一に、穴のあいた大腸を持ち上げて一時的に人工肛門を造設し、腹腔内をよく洗い、また膿がたまらないようドレーンという管をいれます。