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「患者さんの権利に関する宣言」解説文

策定趣旨

すべての患者さんは個人として人格を尊重され、最善の医療を受ける権利があります。この「患者の権利」は、アメリカ病院協会の「患者の権利章典」(1972年)、世界医師会の「患者の権利に関するリスボン宣言」(1981年)などで明らかにされています。わが国においても、全国の多くの病院で「患者の権利」を明確にする動きが活発になってきています。
その背景としては、医療に関する情報が普及してきたこと、自らの尊厳や権利を守るために積極的に治療方針の自己決定を望む患者さんが増えてきたこと、その結果医師が患者さんに対して一方的に医療を提供するという従来の医師と患者さんの関係が大きく転換を迫られてきたこと、などがあげられます。他方、医療技術の進歩にもかかわらず、医療事故の続発や診療情報の提供が不十分なことによって医療に対する信頼が大きく揺らいでいることも事実であり、医療に対する信頼を取り戻すことは大きな課題となっています。
より良い医療を作り上げていくためには、「医療の中心は患者さん」ということをあらためて認識し、患者さんと医療従事者がお互いの信頼関係に基づき、両者が協力してその実現をめざす必要があります。市立堺病院においても、病院職員の意識改革を図るとともに、患者さんが主体的に医療に参加することを期待して「患者さんの権利に関する宣言」を策定するものです。

1.平等に医療を受ける権利

患者さんは、社会的地位、民族、国籍、宗教、信条、性、障害の有無などに関わらず、最善の医療を平等に受ける権利があります。

解説

患者さんは、社会的地位、民族、国籍、宗教、信条、性、障害の有無などに関わらず、最善の医療すなわち、適切な医学水準に基づいた安全かつ効果的な医療を受ける権利があります。
患者さんは、各々の人格、価値観をもつ個人として尊重されるべきであり、市立堺病院の職員はこの点に留意し、患者さんと医療関係者との相互の信頼と協力関係を作っていきます。
また、感染症の有無によっても差別することはありません。

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2.十分な説明と情報を得る権利

患者さんは、わかりやすい言葉や方法で、十分理解し納得できるまで医療に関する説明や情報の提供を受ける権利があります。

解説

患者さんは、正確な診断名を知る権利があります。
検査や治療にあたっては、他の方法も含め、その目的、内容、効果、危険性などを具体的データに基づいて、理解し納得できるまで十分な説明や情報の提供を受けることができます。
職員は、一方的に説明するのではなく、患者さんが理解できているかどうかを確認しながら、患者さんの立場に立った説明をいたします。また、患者さんは、わからない時は、納得できるまで質問してください。

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3.自己決定する権利

患者さんは、提供された情報と医療従事者の説明をよく聞き理解したうえで、自分の意志で検査や治療などの医療を受けるか受けないかを決める権利があります。
別の医療機関の意見を聞きたい場合は、検査結果の提供を受けたり、紹介状の発行をしてもらうことができます。

解説

十分な説明と情報提供を受けた上で、どの様な検査や治療を受けるか受けないかを最終的に決めるのは、患者さんです。
職員は、適切な医学水準を踏まえて、現在考えられる検査法や治療法を提示した上で、患者さんが自分で決定できるよう支援します。
患者さんが自己決定のために他の医療機関の意見を聞くことは、有意義であると考えていますので、そのような場合には、検査結果の提供や紹介状の発行を行います。
そのことにより、医師との関係が損なわれることはありませんので、遠慮なく申し出てください。

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4.自分の受けた医療について知る権利

患者さんは、自分が受けた医療について知る権利があります。
そのために、十分な説明を受けることができます。必要な場合には、診療記録の開示などを受けることもできます。

解説

患者さんは、自分が受けた医療について詳しく知るため、十分な説明を受けることができます。
職員は、できる限り説明の機会を設けます。市立堺病院では、患者さんからの要求があれば、定められた手続きに則りカルテなど診療記録の開示を行います。

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5.個人情報が守られる権利

患者さんは、診療過程における個人情報を保護され、プライバシーを侵害されない権利があります。

解説

病名、治療内容、今後の見通しなど診療過程における患者さんの個人情報は、厳重に保護される必要があります。
職員は、患者さんが安心して診療を受けられよう、患者さんの個人情報が流出することのないように、厳正に取り扱う義務があります。
また、患者さんのプライバシーが侵害されないよう可能な限り配慮します。患者さんもお互いのプライバシーを尊重することが必要です。

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6.臨床研究に対象として参加するかどうかを自由に決める権利

患者さんは、臨床研究(患者さん自身を対象とした医学研究や開発途上にある治療の実施)に、その目的、方法、危険性などについて、十分に説明を受け理解した上で、研究対象として参加するかどうかを自由に決める権利があります。

解説

新薬や開発途上の治療法が本当に効くのかどうかは、実際に患者さんに試してみなければわかりません。
また、人のからだのしくみや働きを知るためには、健康な人や患者さんのからだまたはその一部を科学的に調べてみる必要があります。
そこで、そういう「臨床研究」に研究対象として参加するよう、患者さんにお願いすることがあります。
その時、患者さんは、医師からその研究の目的や方法、研究資金の負担者や大学などの研究機関との関係、参加したときに期待できる利益、予想される危険性や研究参加中に味わう不快感、研究が終わった後の対応や補償の有無などについて、わかりやすい言葉や方法で十分に説明を受ける権利と、説明を十分に理解したうえで、研究に参加するかどうか自由に決める権利があります。
もし研究への参加を断ったり、いったん参加したあと気が変わって途中でやめたりしても、医師との関係が損なわれたり、治療上不利な扱いを受けたりするようなことは、いっさいありません。